空飛ぶオランダ人が４連勝の母国に不満

　1次リーグから４連勝のオランダだが、国内からは守備的な戦術に批判を受けている。同国を代表する名選手だったヨハン・クライフ氏（６３）は「かつてのオランダには、世界のサッカーファンに何か特別なことを期待させる資質があった。今はその役割をチリに譲ったようだ」と暗に批判した。「空飛ぶオランダ人」の愛称で知られた同氏は、現役時代は攻撃的ポジションでプレー。自ら発案した「クライフ・ターン」などエンターテイメント性の高い技術で世界中のファンを魅了した。「醜く勝つよりは、美しい敗者になれ」が持論なだけに、今大会でのオランダのサッカーは同氏の美学に反するようだ。しかし、ファンマルウェイク監督は「我々は勝ちたいだけ。かつてのオランダは、華麗なプレーに固執するあまりタイトルを取れなかった。我々はその点を改善した」と反論。大先輩に批判されてもなお、後輩たちは「勝てるサッカー」に徹するつもりだ。（春日洋平通信員）