マラドーナ監督は、「優秀」か「ならず者」か？

　メキシコを破り、８強入りを決めたアルゼンチン。マラドーナ監督は、この試合でエースのメッシとゴールを決めるかどうかを賭けていた。しかし、メッシはまたも不発。試合後のロッカールームでメッシが財布をとりだそうをすると、マラドーナ監督は「もう一度チャンスをやる。ドイツにゴールを決めたらちゃらにしてやる。そうでなければ倍の額をオレに払うんだ」。なかなか点を入れられないボンバーの気持ちを和らげるための策略。意外と？　優秀な監督の一面もみせた。

　一方で、マラドーナ監督は「メッシは最初から最後まで相手選手に蹴られていた。ジェンティーレの時代に戻ったようだ」と、１９８２年Ｗ杯を優勝したイタリアのメンバー、クラウディオ・ジェンティーレを引き合いに出した。

　しかし、これにジェンティーレ本人が反論。「８２年Ｗ杯でブラジルのバティスタの胃を蹴り上げて退場となったのはマラドーナのほうだ。私はピッチで相手を蹴って退場となったことはない。話す前によく考えてからにしたほうがいい。ペレとプラティニが言うように、彼は監督ではなくただの"ならず者"だ」と答えたという。（波平千種通信員）