トップ下長谷部機能せず／親善試合

＜親善試合：コートジボワール２－０日本＞◇４日◇スイス・シオン

トップ下では長谷部の長所が失われた。攻撃の芽を摘み、ボールを奪ってからリズムをつくる典型なボランチだ。上がり目のポジションにいることで孤立していた。彼が悪いのではなく、システムに問題があった。つなぎ役に徹する選手ではない。長谷部が埋没することで、チーム全体の血の巡りが悪くなった。

　遠藤はボランチだけでなく、トップ下も得意だ。つなぎ役にもなれる。遠藤と長谷部の位置を入れ替えるだけで、チームは機能したはずだ。なぜ選手はリズムが悪いと感じているのに、互いのポジションを入れ替えなかったのか。監督にもう使ってもらえないと思ったのかもしれないが、理解に苦しむ。また、ベンチもなぜ、２人に指示を出さなかったのか。前半１０分の時点で判断しないといけなかった。

　日本は全体で攻撃して守備をするという連動性がなければ、世界とは戦えない。そのことがよく分かった試合でもあった。今、選手がやらなければならないのは、カメルーン戦までにコンディションを上げること。もうそこに集中してほしい。（日刊スポーツ評論家）