オランダ重鎮クライフ氏「スペイン勝つ」
W杯初制覇を狙うオランダが、母国の元スーパースターからまさかの「裏切り」を受けた。同国サッカー界の重鎮で、W杯74年大会準優勝の立役者ヨハン・クライフ氏(63)が8日、英紙テレグラフなどのインタビューに答え、11日(ヨハネスブルク)の決勝でスペインが勝つと予想した。バルセロナなどスペインで指導歴があり、攻撃的な同国サッカーのサポーターであることを強調。一方、母国のサッカーを「守備的」と批判した。クライフ氏の発言をきっかけに、因縁ムードの薄い両国の対決は一気にヒートアップしそうだ。
母国への愛は、どこへやら。「空飛ぶオランダ人」の心は、遠くイベリア半島へと飛んでいた。「私はオランダ人だが、スペインのスタイルを支持している。彼らのような攻撃的なサッカーをすれば、勝つチャンスはより大きいからね」。クライフ氏の口を突いて出るのは、スペインを称賛する言葉ばかりだった。
攻撃的サッカーを掲げてきたクライフ氏らしい意見だった。現役時代にはオランダのエースとして、「全員攻撃、全員守備」のトータルフットボールを実践。74年大会にはチームを準優勝に導いた。持論は「醜く勝つより、美しい敗者になれ」。勝利至上主義の風潮に一石を投じる姿勢は、引退後も変わらない。
90年代にはバルセロナ監督として、華麗で強い理想のチームをつくり上げた。今もカタルーニャ州選抜監督を務めるなど、スペインサッカーとのつながりは深い。現代表の主力がバルセロナ所属ということもあり、「今のスペインのサッカーは、バルセロナのサッカーだ」と言ってはばからない。
そんな男の目には、MFスナイデルの攻撃センスを軸に、高い得点力で勝ち抜いてきた母国さえ色あせて映る。「かつてのオランダには、ファンに特別なことを期待させる資質があった。今はその役割をチリに譲った」。攻撃偏重サッカーで脚光を浴びたチリを引き合いに出し、母国を批判した。
オランダとスペインは、意外にも今回がW杯初対決。因縁の少ない両国にとって、クライフ氏は数少ない接点でもある。そのキーマンが、決戦のボルテージを高めた。オランダにとっては、偉大なるOBの口から飛び出したまさかの「雑音」だが、ファンマルウェイク監督は耳を貸そうとしない。「我々は今、別の時代を生きている。過去の遺物のことを考えるつもりはないよ」。合言葉は「脱クライフ」。オランダが新時代への扉を開くには、クライフ氏が成し遂げられなかったW杯制覇を達成するしかない。
[2010年7月10日12時19分 紙面から]
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