1試合平均は2・27点
数々の記録と記憶を残したW杯が1カ月間の戦いを終えて閉幕した。さまざまな数字を取り上げて大会を振り返った。
▽ゴールシーンは減少
64試合の総得点は145点で、前回より2点減った。1試合平均2・27点は過去最低だった90年大会の2・21点に次いで2番目に低い数字だ。
今大会は1次リーグの48試合で101点(1試合平均2・10点)だったのが、決勝トーナメントは16試合で44点(同2・75点)と増加した。新しいボールや環境への慣れが、この結果に影響したのかもしれない。
▽決勝は荒れ模様
決勝では両チーム合計14の警告が出て、オランダのハイティンハは2度の警告で退場した。決勝で退場処分を受けたのは2006年大会のジダン(フランス)に次いで5人目となった。
決勝での警告数は1986年大会の6を大きく上回って最多記録を更新した。今大会でも最多だった。
▽初物ずくめのV
スペインは自慢のパスワークに加え、7試合で2失点の堅守も光った。これは優勝チームでは06年のイタリア、98年のフランスに並ぶ最少記録。また、初戦を落としたチームの優勝は過去に例がなく、決勝トーナメントの4試合とも無失点で優勝するのも初めて。
▽久々「10番」得点王
得点王には5ゴールの4人が輝いた。このうち背番号10を付けていたのはスナイデル(オランダ)とフォルラン(ウルグアイ)の2人。「10番」の得点王は意外にも少なく、過去に78年のケンペス(アルゼンチン)と86年のリネカー(イングランド)しかいなかった。
20歳のミュラー(ドイツ)は同姓の名選手、ゲルト・ミュラー(西ドイツ)が70年大会で得点王になった時と同じ「13番」を背負っていた。
▽シュート精度
シュート数が最も多かった選手は5試合で33本を放ったジャン(ガーナ)。1本がバー、2本がポストに当たるなど運には見放され、決めたのは3点止まり。メッシ(アルゼンチン)は30本でノーゴールに終わったが、李正秀(韓国)はシュート2本で2得点と「成功率100%」だった。
▽16強勢力図変化
今大会はベスト16に欧州から6チーム、南米から5チームが入った。これは16強による決勝トーナメント方式になった86年以降、欧州は最少、南米は最多の数字だった。
日本と韓国はそろって1次リーグを突破した。アジアから2チームが16強に進んだのは、日韓共催の02年大会以来。一方、地元アフリカ勢ではガーナだけだった。86年にモロッコが初めて決勝トーナメントに進出して以来、アフリカ勢は7大会連続で1チームが16強入りしている。
▽唯一無敗はNZ
出場32チーム中、1試合も負けなかったのは3引き分けのニュージーランドのみ。28年ぶり2度目のW杯で、前評判を上回る大健闘を見せた。一方、4年前の決勝で対戦したイタリアとフランスは1勝もできずに1次リーグで敗退し、ともに期待を裏切った。(共同)
[2010年7月12日21時45分]
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