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2010年7月09日

だから世界中が「タコ」に飛びついた!

 「タコが言うのよ~」。田中裕子じゃないけれど、ドイツの占いダコが大人気になった。準決勝でスペインに敗れると予想したら、その通り。1次リーグ初戦から勝敗予想は6戦6勝となったが、今度は占いに怒ったドイツ国民が「食べてやる」と言い出したとか。スペインの大臣が「タコを守って」と立ち上がるというが、それを報じたのはブラジルの新聞。タコ踊りはあるけれど、世界中がタコに踊らされている感じだ。

 スペインが勝って、オランダ対スペインの決勝対決が実現した。どちらが勝っても初優勝、新鮮な対決を喜ぶファンもいる。それでも、ドイツとオランダの74年以来の決勝対決も見たかった。「強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ」と言ったベッケンバウアーと「美しく負けることを恥と思わず、無様に勝つことを恥と思え」と言ったクライフの36年ぶりの場外乱闘(もちろん舌戦で)を楽しみにしていたからだ。

 W杯が楽しいのは、対戦国同士にさまざまな因縁があるからだ。それぞれの国の歴史や社会を背景に、両国のサポーターやメディアが盛り上がる。アルゼンチンのマラドーナが「神の手」で騒がれたのは、相手がフォークランド紛争当事国のイングランドだったから。ランパードの誤審ノーゴールは、44年前にハーストのゴールが入ったか否かで論争を呼んだ時と同じ相手のドイツだったから。歴史があるからW杯は面白い。

 残念ながらオランダとスペインには目立った因縁やサッカーでの過去の歴史はない。だいたい、W杯での対戦も今回が初めて。欧州選手権でさえ本大会で対戦したことがない。「リベンジ」という言葉は出てこないし、ともに相手に対しての強い意識もない。

 ともに攻撃的で、試合は面白いと思う。どちらも勝てば初優勝だから、新たな歴史が生まれる決勝戦になる。ただ、華やかさという点ではいまひとつ。スペインのパスサッカーは確かに魅力的だけど、バルセロナのイメージが強すぎる。ならば、メッシがいるバルセロナを見たい。スペイン代表としての強い個性があれば楽しいが、バルセロナのコピーでは意味がない。

 因縁もないし、マラドーナ監督やCロナウドのような飛びきりのスターもいない。だから、世界はタコに飛びつく。「マラドーナの大会」「ジダンの大会」大会ごとに名前がつくが、今大会は何か。まさか「タコの大会」なんてことにはならないとは思うけど...。


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荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 1960年(昭35)東京都出身。84年に入社し、スポーツ部勤務。五輪、サッカーなどを担当して96年からデスク。出版社編集長を経て05年から編集委員として現場取材に戻る。

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