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2010年6月28日

「誰かのために」...ベスト4へ行こうぜ!

 米国が延長戦の末にガーナに敗れた。チームの精神的な支柱でもあるMFドノバンは「賭けてきたものが大きかっただけに残念。サッカーは残酷だ」と悔しがった。1次リーグ最終戦のアルジェリア戦では、ロスタイムに決勝ゴール。「国民に、少しはサッカーを見てもらえる」と涙した。使命感に燃えた、米国イレブンの挑戦は終わった。

 今大会参加国の中でも、米国は数少ない「サッカーがメジャーでない国」だ。欧州や南米を始めとする世界中のほとんどが、サッカーを「国技」とする。そうでないのは、米国や日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど一部。ただ、だからこそ米国の選手たちは燃えるのだ。

 FIFAが発表する各国別の競技人口では、米国は約2400万人で中国の約2600万人に次いで2番目。米国の競技別でも、サッカーはトップレベルだという。決して少ないわけではない。ただし、それは女子や子供も含めたプレーする人数で、観戦する人数とは違う。米国では、サッカーは「見るものではなく、やるもの」なのだ。

 「僕らが頑張れば、みんながサッカーを見てくれるはず」とドノバンは言う。同じ言葉を、女子日本代表の選手から聞いた。「私たちが頑張れば、女子サッカーを見る人たちが増える」と言って、08年北京五輪で4位になった。「競技のために」「国のために」「誰かのために」は、大きな力になる。ハングリーさになる。それが、米国や日本女子の快進撃につながった。

 米国のUSSF(MLSの下部に位置する独立リーグ)タンパベイ・ローディーズでプレーする元日本代表のMF山田卓也は、スポーツバーでW杯を観戦するという。「着ているユニホームがバラバラ。それぞれ自分のルーツの国を応援している。日本では見られない光景です」と話す。多くの人種が集まる国だからこそ、スポーツは一つになるきっかけとなる。米国代表には「米国を応援してほしい」という思いもある。

 日本代表はベスト8入りをかけてパラグアイと対戦する。今の日本では、なかなか「国のため」とは考えにくいかもしれない。Jリーグも軌道に乗って「競技のため」も難しい。ならば「誰かのため」に頑張ってほしいと思う。それが、大きな力になるはずだ。勝利に対するハングリーさを失ったら、勝利はない。

 02年W杯、日本はベスト16で満足していた。トルシエ監督や代表選手以上に、マスコミや社会が満腹感を覚えていた。トルコに負けた後も「悔しい」という気持ちよりも「よくやった」という思いが勝った。だから、ベスト16止まりだったのだろう。今回は満腹ではない。目標とするベスト4まで、まだ先はある。「誰かのために」あと二つ。一発勝負は、何が起こるか分からないのだから。


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荻島弘一(おぎしま・ひろかず)
 1960年(昭35)東京都出身。84年に入社し、スポーツ部勤務。五輪、サッカーなどを担当して96年からデスク。出版社編集長を経て05年から編集委員として現場取材に戻る。

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