日刊スポーツの南アフリカW杯特集ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです



2010年6月12日

戦術より感覚 怖い想定外プレー

 日刊スポーツでは、予選1次リーグで日本が対戦する3カ国を、本紙評論家が独自の視点で3回にわたって分析する「3番勝負」を今大会でも実施します。14日に迫ったカメルーン戦は、宮沢ミシェル氏が担当します。1回目は、カメルーンの特長について分析しました。

<3番勝負 カメルーン戦>(上)
 身体能力に優れた選手なら、欧州や南米にもいる。ただ、アフリカ勢が恐れられるのは、その身体能力をもって「掟破りのサッカー」をやるからだ。我々が「届かない」と思う場面で、頭や足が出てくる。単に脚力や跳躍力がずばぬけているからでは済まされない。ミスをしても、それをミスと感じずに次のプレーに移る精神力が、サッカーの常識が通じないプレーにつながり、相手を大混乱に陥れる。

 開幕直前、5月29日の強化試合カメルーン―スロバキアで特徴が表れた。後半38分のカメルーンの同点ゴール。MFエノーが左クロスをファーサイドで胸トラップした際、ボールが前方に流れた。いわゆる「トラップミス」。飛び出したGKがキャッチすると思われたが、エノーは前のめりになりながら右足を投げ出してシュートを決めた。

 選手というのは、自分の能力や体に染み付いた経験を判断基準にして戦うもの。欧州や南米のサッカーに慣れた我々が「届かない」と判断するところで、頭や足が出てくる。アフリカ勢はセンターバックが最終ラインからドリブルで持ち上がったり、サイドバックもピッチ中央へ流れたりする。自陣で相手に取り囲まれればパスを選択する場面でも「数的不利」と感じずに、ドリブルで抜きにかかる。集中力を切らし、守備面がルーズに見えても、彼らからすればいつでもボールをプレーする位置にいるという認識だ。

 フランス人のルグエン監督が率いるカメルーンをはじめ、最近は欧州の指導者のもとで組織的な戦いをするようになったが、基本的にはアフリカのサッカー。戦術よりも感覚が優先するところがある。相反するような2つの要素がバランスよく融合しているコートジボワールは別格だが、カメルーンはまだ荒削り。日本は「予想外」のプレーを常に想定して対応しなければならない。(日刊スポーツ評論家)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • ツイッター
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

宮沢ミシェル「ピッチから」
宮沢ミシェル(みやざわ−)
 1963年(昭和38)7月14日、千葉県生まれ。市原緑―国士大を経て86年に日本リーグのフジタ(現湘南)入り。92年に市原(現千葉)に移籍し、95年に引退するまでDFとして活躍した。J通算58試合2得点。父がフランス人でフランス国籍だったが、93年1月に日本国籍取得。94年には日本代表に招集された(出場はなし)。

最近のエントリー


ニッカンスタジアムへのご参加はこちらから

[受付終了]Q33 オランダvsスペインの勝敗は?

解答期限
[07/12 03:30]

海外代表ニュース

記事バックナンバー

日本代表ニュース

記事バックナンバー

A組
南アフリカ
メキシコ
ウルグアイ
フランス
E組
オランダ
デンマーク
日本
カメルーン
B組
アルゼンチン
ナイジェリア
韓国
ギリシャ
F組
イタリア
パラグアイ
ニュージーランド
スロバキア
C組
イングランド
米国
アルジェリア
スロベニア
G組
ブラジル
北朝鮮
コートジボワール
ポルトガル
D組
ドイツ
オーストラリア
セルビア
ガーナ
H組
スペイン
スイス
ホンジュラス
チリ









大会データ 得点ランキング、日本代表全成績、W杯ヒストリー、歴代得点王&MVPなど



  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 南アフリカW杯
  3. コラム
  4. 宮沢ミシェル「ピッチから」

データ提供

(株)日刊編集センター/InfostradaSports

ここからフッターナビゲーションです