さらなる上乗せを／アジア杯予選

＜アジア杯最終予選：日本２－０バーレーン＞◇３日◇Ａ組◇豊田ス

　欧州組が入ったことで、得点から逆算したような、攻撃の意図が見えるようになった。特に良かったのは本田。トップ下に入って、何をすべきかがよく分かっていた。下がりすぎず、前に前に向かって、ボールを受けた時に勝負をする。序盤こそサイドに流れすぎるところがあった。だが前半３６分に長谷部からの縦パスをゴール前中央で受けて、反転して強引にシュートを打ったあたりから、プレーが変わった。

　トップ下で本田が機能し始めて、試合全体の流れも変わった。岡崎の先制点の場面でも、本田が中央でパスを受け、攻撃の起点になっていた。ドリブルでアクセントになっていた松井とともに、欧州組の実力を印象付ける働きぶりだった。

　あとは、ボールのないところの動きを改善すれば、さらに頼もしい存在になるはず。例えば他の選手がドリブルしている時に、岡崎のようにうまくマーカーから離れる動き。サイドで中村俊がボールを受けた時に、タイミングよくＤＦの間に入ってボールを受ける動き。チーム同様にＷ杯で戦うベースは見えただけに、さらなる「上乗せ」を本田個人にも期待したい。（日刊スポーツ評論家、テレビ朝日報道ステーションキャスター）