守備の連動見られず／東アジア選手権

＜東アジア選手権（男子）：韓国３－１日本＞◇１４日◇国立

　できればいいところを見つけてあげたいのですが…今回はほとんどなかった。特に守備。コミュニケーション不足が露呈した。たとえば内田がＰＫを与えたシーンなどは、相手ＦＷ１人に対して、日本はＤＦ４人がそろった状況。慌てる必要が全くないのに、無理にドリブルを止めにいって、ファウルで倒してしまった。内田の判断もよくないが、周囲の選手の指示不足も問題。前線からの守備もうまくいかなかった。選手同士の連係を欠いたので、うまくサイドに相手を追い込んでボールを奪う場面が、ほとんどなかった。

　日本の良さは組織力。しかもＷ杯本大会ともなれば、相手の身体能力が高いから、数的優位をうまくつくって守ることが必須になる。昨年９月のオランダ戦などでは、そうした組織的な守備が機能していたのだが…。大会を通してみても、当時のような「連動した守備」はみられなかった。

　本当ならこの３試合は、内容が伴う結果を出して、本大会に向けて自信をつけるための機会にしなければならなかったはず。それなのにこの結果では、選手たちの士気の低下が心配だ。全国のサポーターも不安だろうと思う。「ただＷ杯に出るだけなの？」「４強ってただの掛け声？」という声が聞こえるような気がする。（日刊スポーツ評論家、テレビ朝日報道ステーションキャスター）