日本も「個」のレベルアップ必要

＜Ｗ杯：スペイン１－０オランダ＞◇決勝◇１１日◇サッカーシティー

スペイン手本
　スペインのサッカーは、誰もが目指したくなるスタイルだった。圧倒的な中盤の構成力で、相手の守備を崩しきる。守りでも中盤で相手の攻めを止め、素早い切り替えで攻撃に転じる。見ていて面白く、本当に強いサッカーだった。自分たちのスタイルを信じて、それに徹する。相手がどこでも変わることのない「横綱相撲」だった。

　もちろん、日本もこういうサッカーを目指してほしい。それには、まず個のレベルアップが必要だ。ボールコントロール、判断のスピード。各自が各クラブに戻って、すべてを高めないといけない。それには、狭いスペースで繰り返しトレーニングをするしかない。ピッチを狭くした８対８のゲームなどを、もっとやっていく必要がある。

　スペインも、教えられてできるようになったわけではない。若いころから繰り返してやってきた成果だ。オシム前監督が言っていた「考えてプレーする」ことの大切さを、いま一度徹底するべきだ。これは教えられるものではなく、自分でやらないといけない。大会前の予想を覆してベスト１６になった日本は立派だったが、さらにレベルアップするためにスペインは最高の手本になる。（日刊スポーツ評論家、テレビ朝日報道ステーションキャスター）