内容も試合運びも悪くない／東アジア選手権

＜東アジア選手権（男子）：日本０－０中国＞◇６日◇味スタ

　内容は悪くなかった。ベネズエラ戦に比べると、高い位置で守備ができた。特にダブルボランチは出色。稲本の守備はかなり効いていた。遠藤の後方で守るだけでなく、前に飛び出して、最前線で果敢に守備をする場面もあった。稲本が前に出れば、遠藤が気を利かせて下がったりと、２人のバランスも絶妙。彼らのサイドチェンジから、両サイドＤＦが有効なクロスを入れる場面も目立った。

　試合運びも悪くない。前半は、日本の選手がゴール前に勢いよく飛び込むシーンがあまりなかった。でもこれは、相手の様子を見ながらのプレーだったと思う。中国の攻撃が読めてきた後半から、思い切ってゴール前に飛び込むようになり、攻撃が一気に加速した。

　とにかく内容は評価されるに値するもの。でもＷ杯本大会を考えると、やはり点が取れないと。これだけ決定機をつくっても決められないのでは、強豪相手で決定機が限られるＷ杯では、まず点は取れない。目標の４強はもちろん、１次リーグの突破も難しくなる。（日刊スポーツ評論家、テレビ朝日報道ステーションキャスター）