平山の「足元」見たい／親善試合

＜国際親善試合：日本０－０ベネズエラ＞◇２日◇九石ド

　国内初戦ということもあって、全体的に体の動きもよくなく、ミスも多かった。ただ後半に平山が入り、４－２－３－１システムに近くなってから、攻撃がよくなった。クロスに対して、ニアで平山が相手ＤＦをひきつけてつぶれ役になることで、後方でフリーになった岡崎や佐藤が頭で合わせる場面が何回かあった。

　高さがあるからこそ、おとりにもなれる。これまでは小さいＦＷばかりで、速いクロスをニアに送り、点で合わせるしかなかった。平山のように高いＦＷが中央にいるなら、点ではなく彼の周辺のエリアに向かってクロスを送れさえすれば、攻撃につなげる。つまりクロスが生きるゾーンが広がった。欲をいうなら、彼の足元にパスが入る場面を見たかった。どれだけボールをコントロールして、周囲の選手を生かせるか。またいかに反転して、シュートに持ち込めるか。見極める機会がほしかった。

　小笠原も存在感をみせた。遠藤とのワンツーからシュートを放ったように、周囲をうまく使った。岡崎に出した浮き球のスルーパスも彼らしいプレー。自分の長所を、きちんと表現できていたと思う。（日刊スポーツ評論家、テレビ朝日報道ステーションキャスター）