伝説ＧＫチラベルトに出会った

６月２９日（火）
　あのチラベルトに出くわした。ホセ・ルイス・チラベルト、４４歳。９８、０２年のＷ杯でパラグアイの守護神として活躍し、強烈なフリーキックを併せ持つ伝説のゴールキーパーだ。加えて強烈なキャラクター、その風ぼうから人気を集め、大統領に最も近い男、とさえ呼ばれた。

　日本対パラグアイの取材のため訪れた、プレトリアのロフタス・バースフェルド・スタジアム。メディアの入り口で、私の前に立っていた。これはチャンス、とばかりに声をかけ、一緒に記念撮影もしてもらった。まるでラグビー選手のように、厚みがあるごっつい体。こういう怖そうな男にゴール前に立たれたら、やっぱり相手選手は嫌だろうな。そんなことを考え「今日の試合のスコアはどうですか？」と声をかけた。すると「パラグアイが勝つよ」と短い言葉だけを残し、そそくさと歩いていった。これぞ、まさに「チラ」ベルト、という感じだった。

　試合は日本がパラグアイ相手に粘り強く戦った。しかし、結果はご存知の通り、０―０からのＰＫ戦で敗退。堅守のチームらしい、結末となった。つまり「チラ」ベルト予想が当たったことになる。チラベルトは日本戦をどのように見て、どう語ったのだろうか。勝った後だけに、口も滑らかだったに違いない。会って、聞いてみたかったが、姿を見ることはできなかった。

写真＝ホセ・ルイス・チラベルトを激写しました