「私は日本人...」夜の酒場で弾む会話

６月２５日（金）
　日本の決勝トーナメントの相手がパラグアイに決まった。相手を探るため、キャンプを張るピーターマリッツバーグ（南アフリカ東部）に近いダーバンへ行かなければならない。私にとって、激動の移動が始まった。

　日本戦が終了後、宿に戻ったのが２５日午前０時半。そこから、翌日の航空券、宿泊ホテルを探すため、インターネットとにらめっこ。朝７時のバスに乗るまでに、すべて完了させなければならない。もちろん原稿も抱えている。しかし、ダーバンのホテルはどこもかしこも満員だ。２５日にブラジル対ポルトガルという好カードがあるため、当然といえば当然。宿無しでダーバンへ行くということは、無謀な行為だ。「危ない目に遭いたくない」。そんな一心で、パソコンとにらめっこ。ようやくダーバン市内にホテルをキープした時、既に朝の５時だった。

　ルステンブルクからヨハネスブルクへ移動し、そして飛行機でダーバンへ。最近は日本の活躍もあり、必要に迫られ、予定していたスケジュールを書き換える毎日。おかげで旅行代理店の力を借りず、自力で航空券を手配し、宿を抑えることまでできるようになった。南アフリカへ入り、生活力が格段にアップしていることを実感する。危険な国のイメージが、よくも悪くも、自分にとっては「火事場のクソ力」となっているようだ。

　ブラジル対ポルトガル戦の行われたダーバンでは、夜になって両国サポーターが大騒ぎ。楽しげなサンバの音色に誘われ、外へ出て通りを歩いた。生ビールを一杯飲んだ。南アフリカの現地人から「韓国人か？」とたずねられた。「ノー。日本人だ」。そこから会話がはずむ。何とも言えず、爽快な気分にひたった。

写真＝夜の街でブラジルサポーターらが大騒ぎ