ＰＶで婚活　自治体や業者が出会いのサポーター

　目指せ「Ｗ杯婚」－。１９日の日本－オランダ戦観戦を、婚活など男女「出会いの場」にする企画が、各地で開催される。長野県伊那市では市が主催し、市内の屋外広場で４００人規模の「婚活観戦」イベントを実施。試合に熱狂しつつ「お相手候補」も探してもらう。また民間企業も都内で大規模な「サッカー応援合コン」を行う。カメルーン撃破で勢いづく日本。当日の試合結果次第で、各会場でも「人生のゴール」を決めるカップルが続々誕生するかも？

　日本－オランダ戦の「婚活観戦」イベントを主催するのは、伊那市直営の結婚相談窓口「いなし出会いサポートセンター」。センターによると、ＪＲ伊那市駅前の大型ビル「いなっせ」の屋外広場で、午後７時から試合終了すぎ（午後１０時半ごろ）まで行われる。
　約６畳大の大型スクリーンを設置。屋台も並ぶ中、フリースペースで自由に観戦する方式で、最大約４００人規模になる。過去の試合映像を流したり、日本代表レプリカユニホームの抽せん会などをしつつ、試合開始の午後８時半からパブリックビューイング形式で一緒に観戦。応援で盛り上がりつつ、独身男女同士の仲も盛り上がるのが狙い。

　独身者でなくても、基本的には誰でも無料で参加可能。いなっせには飲食店も複数あるため、観戦後の「お食事デート」もありか。同センターでは「お祭りの縁日のようなイメージ。お友達ができたら仲良くお食事でもして、試合の話で盛り上がっていただければ」と話した。

　同センターは伊那市が０８年１１月に開設。縁結び支援事業などに取り組んでおり、今回はその啓発活動の一環でもある。同センターでは「日本がカメルーンを破った後、問い合わせが急に増えており、大きな反響を感じている。１人でも多く、良い出会いがあればと願っている」と話した。

　民間業者も１９日夜、大規模な「Ｗ杯出会い」イベントを開催する。大手合コンセッティングサービス「コンパｄｅ恋ぷらん」が主催する、その名も「ワールドカップ観戦合コン」。東京・銀座のパーティースペースで１００インチの巨大画面で日本を応援しつつ、男女で酒を飲んだり料理を食べたりする珍しい「合コンしながら観戦」企画だ。

　２０～４５歳の男性５０人、女性５０人が対象参加枠で、男女ともに有料。応援グッズや温泉宿泊券プレゼントなどの企画もある。同サービスの運営会社では「カメルーン戦勝利後、一気に申し込みが増えた。スポーツ観戦する友達や彼氏彼女探し、そして婚活にも役立つ合コン。日本１勝後なので、いいムードで開催できそうです」。４年に１度の世界的祭典。何組の「ゴール」が生まれるか。【広部玄】

　◆自治体の婚活支援　少子化が問題になり、不況を背景とした婚活が社会現象になる中、県や市町村などが自ら、独身男女の結婚をサポートする動きが最近、活発化している。例えば、０８年の婚姻率（人口１０００人当たりの夫婦数）が全国最下位だった秋田県では０９年７月、県が「すこやかあきた出会い応援ウェブサイト」を開設。民間の出会いパーティー情報を提供するなどしている。このほか群馬県では０７年秋ごろから「ぐんま赤い糸プロジェクト」という結婚支援事業を推進。奈良県では０５年７月から、県が実質的に主催する独身男女出会いイベントを頻繁に開催し、多数の結婚に至らせている。このほか、バスツアーや釣りなど多彩な婚活イベントを主催した市もある。