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2010年6月11日

3DテレビW杯効果、売れ行き予想の倍

 W杯南ア大会は、11日に開幕するが、これに合わせてソニーは10日、立体映像が見られる3次元(3D)テレビ「ブラビア」の2機種を発売した。家電量販店ではW杯をきっかけに、ボーナス商戦への相乗効果を狙う。3Dテレビの国内販売はパナソニックに次ぎ2社目。街頭テレビに群がった半世紀前のテレビ元年から、東京オリンピックでカラーテレビが一気に普及するなど、スポーツイベントの度に、お茶の間に浸透してきた新世代テレビ。3Dテレビ元年に開催されるW杯が、普及の起爆剤として期待される。

 東京・有楽町の「ビックカメラ本館」では、3Dテレビの体験をしてもらおうとソニーの新型テレビ「ブラビア」と専用メガネを設置している。6月3日からイベントを展開し、週末には購入予約が20台以上も入ったという。

 ソニーの3Dテレビを体験した男性会社員(38)は「迫力もあり、人の奥行きを感じることができた」と予想以上の迫力を感じていた。目黒区のOL(22)は「ディズニーランドみたいかなと思っていたが、それよりもリアルに見えた。早く友だちとみんなで見たい」と3D体験を楽しんだ。

 3D元年とされる10年、パナソニック、ソニーに続き三菱電機やシャープ、東芝など3社が7月までに発売を始める予定だ。

 先陣を切ったパナソニックは4月に「ビエラVT2シリーズ」(約43万~70万円)を販売、続いてソニーが「ブラビアLX900シリーズ」(約30万~36万円)の発売を開始した。

 パナソニック広報宣伝の笠浩さんは「W杯を意識したわけではありませんが、デジタル家電は先手必勝」と当初計画の2倍以上の売れ行きだと話す。現在の国内のテレビ普及台数は約1700万台といわれ、「3Dは初年度で約100万台と予想していたが、既に200万台を超えている」と期待する。

 W杯オフィシャルパートナーのソニー広報部も負けていない。「W杯の映像で3Dの体験が出来るモニターを国内の家電量販店や品川駅構内など約500カ所に設置している」と3Dテレビの需要拡大を目指す。今後はコンテンツ事業にも手を広げ、家庭用ゲーム機「プレイステーション3」向けのソフトや映画のソフトなどにも力を入れていくという。

 国内のテレビは、1953年(昭28)に誕生した。当時、東京・新橋駅に設置された街頭テレビに、プロレス中継の力道山を見ようと1万人以上が集まった。11年後の64年には東京オリンピックが開催され、カラーテレビが一気に普及していった。

 地デジ化に伴い薄型テレビが普及し、家電量販店ではさらに価格戦争が予想される。W杯期間中に店舗内で3D体験をしてもらい、ボーナス商戦で普及に期待がかかる。【荒木俊晴】


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