2010年6月06日
宮部高明さんのリアルな恐怖体験
殺人、強盗などが続発する治安の悪さから「世界最悪の犯罪都市」とも評される南アフリカ・ヨハネスブルクで実際、黒人強盗集団に白昼"フルボッコ"にされた日本人男性がいた。「危ない世界一周旅行」著者の会社員宮部高明さん(31)。路上をわずか約200メートル、数分間歩いただけで30人以上の黒人に襲われて首を絞められ、全身を殴られ、金を奪われた。その後も別集団が次々襲撃してきた。やっぱり「最も危険な街だった」。リアルな恐怖体験を振り返ってもらった。
宮部氏がヨハネスブルクを訪れたのは、世界一周旅行中の06年11月ごろ。別の国に移動するため、日中、ヨハネスブルク中央駅からヨハネスブルク国際空港行きバス停に徒歩で向かおうとしたわずかな間、黒人集団に襲撃された。
雇った黒人女性ガイド2人に誘導され、駅構内を出た。「駅構内を出てわずか2~3分、200メートルくらいしか歩いていない時でした」。路上にいた多数の黒人男が、宮部さんを取り囲むように群がってきた。
「やばい...」。そう思った直後、1人の男が飛び掛かってきて、斜め後ろから首を太い腕で絞め上げてきた。直後、30人以上と思われる男が一気に襲い掛かってきた。集団は所持品を奪おうと、宮部さんのズボンのポケットに次々手を伸ばしてきた。左右のポケットを両手で押さえ"死守"しつつ抵抗したが、路上にうずくまってしまった。
男たちは獲物を"狩る"猛獣のごとく、倒れ込んだ宮部さんの頭部、ボディーなどをボコボコに殴り始めた。「殺される...」。「財布だけでも差し出さないとまずい」と考え、財布が入った左のポケットをかばう力を緩めた。直後、1人の男が財布を強奪。
「とったぞ~ ! 」とばかりに財布を右手に持ち、天空に掲げた。するとほかの猛獣たちは、財布を掲げた男に群がり始め、あっという間にどこかへいなくなってしまった。「まさにフルボッコ状態。ただ、正確な人数や、殴られた回数を数える余裕なんて、正直ありませんでした」。
なんとか立ちあがったところ、さらに"第2波"が。別の黒人数人がタックルしてきた。背後から首を絞めあげ、残りの男たちが、ポケット内のものを奪おうとしてきた。パスポート類を守るため全力で暴れると、男たちは散った。
その後、息つく暇もなく第3波が襲来。別の5、6人からなる黒人グループが向かってきたのだ。今度は全力でダッシュして逃げ、駅構内まで避難した。財布に入っていたのは、外国紙幣含め計約3万円。全身各所にあざができ、打撲を負った。
宮部さんは結局タクシーで空港に向かい、飛行機で「暴力都市」から"脱出"した。W杯では、ヨハネスブルクの2会場で試合が行われる。「欲しけりゃ奪う...まさに弱肉強食の世界。私が行ったどんな場所よりも、ヨハネスブルクは危険な都市でした。『暴力』はこの街の、単なる日常のひとこまでした」と振り返った。【広部玄】
◆宮部高明(みやべ・たかあき)1979年(昭和54)3月8日、茨城県生まれ。03年早大教育学部卒。同年NTTアドバンステクノロジ入社。05年ヤフー入社。情報セキュリティー関連業務を担当。06年退職。同年6月~07年5月まで世界一周旅行。帰国後の07年末、その体験を「危ない世界一周旅行」(彩図社)に著す。早大時代から、バックパッカーとして海外各地を歩く。現在は会社員。
外務省の海外安全ホームページ(HP)によると、ヨハネスブルク市街中心地では「殺人、強盗、強姦(ごうかん)、恐喝、暴行、ひったくり、車上狙い、麻薬売買などの犯罪が、時刻、場所を問わず発生している」という。南ア全域では09年3月までの1年間に、殺人事件が年間1万8148件発生。1日約50件発生している計算だ。同HPで外務省が呼び掛けている南アの主な犯罪系注意事項は―。
▼空港からの尾行強盗が発生。
▼電車やバスなど公共交通機関は可能な限り利用を避ける。車内や乗降時、強盗被害に遭う確率高し。
▼「スマッシュ・アンド・グラブ」と呼ばれる、交差点で停止中の車の窓を割って車内の物を強奪する手口が発生。
▼銃器を使ったカージャック多発。「危険を感じた場合、南ア国内では、赤信号を無視してでも逃げるよう勧められている」。
▼偽警官や偽覆面パトカーが出現。所持品検査名目で金品を強奪する。バレると強盗になる犯人も。
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