「死のバス」...乗れば分かります

６月１１日（金）
　Ｗ杯開幕戦を取材のため、ヨハネスブルク市内郊外にあるメイン会場サッカーシティーへ向かった。

　ご存知の通り、南アフリカは世界的にも犯罪率の高さで有名。試合会場へは、メディア専用のシャトルバスが運行され、指定されたホテルを停留場とし、試合日は１時間間隔でスタジアムまで走っている。これに乗れば犯罪に巻き込まれる可能性は低いが、一つ注意すべきことがある。古いバスで、車内にトイレがない、ということ。

　ただでさえ、車社会のヨハネスブルクの交通渋滞はすさまじいが、この日は地元・南アフリカが開幕戦に登場する日。朝から予想通りの大渋滞となった。ビジネス街のサントン地区からバスに乗り、サッカーシティーまで約３０キロの道のり。高速道路を使えば、通常１時間もかからない距離だが、この日はなんと３時間半。当然、途中でトイレ休憩の場所があるわけもなく、車内には「まだか、まだか」とイラつく人、もぞもぞする人の姿が。幸い、私は大丈夫だったが、もしもの場合を考えれば、ぞっとする。これぞ、まさにヨハネスブルク「死のロード」だった。