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「完璧主義者」円熟期を迎えた阿部勇樹

2010年5月16日

<阿部勇樹:取材後記>
 人物を語るときに、○○派や○○者といった表現をすることがある。仮に、プロサッカー選手としての阿部を、そうしたカテゴリーに分けるとすれば、どうだろうかと考えたときに「完璧主義者」というフレーズが浮かんだ。

 試合で負けたならばともかく、勝利を収めて、内容も充実していればいるほど「喜ぶ」感情を表に出さない。「たまたま結果が出ただけです。それよりも、とくに前半、試合の入り方がよくなかったのは…」「縦の突破で崩せたところはあったと思います。でも、もっとサイドを生かせていたら…」。「あっ、でもそう考えると違う選択もあったというか…」。

 まるで、一時停止ボタンを何度も押しながらプレー映像を再生しているかのように、落ち着いた口調でゆっくり振り返る。虚勢を張るわけでも、自分自身やチームメートにゲキを飛ばすために課題を指摘しているわけでもない。年齢と経験を重ね、サッカー選手として円熟期を迎えた今、頭の中で次々とわき起こるイメージを楽しんでいるように見えるときがある。

 今回、中学~高校年代の阿部がどんな子だったのか、当時、市原の下部組織で指導していた大木誠氏(U-18千葉監督)に話を伺った。ときには涙でほおを濡らしながら、夜遅くまでボールを蹴っていた姿が、目に浮かぶようだった。「若いころというのは、いろんな方からアドバイスや指導を受けるじゃないですか。それがうれしかったんでしょう。とにかく、大人とサッカーをやりたがりましたね」。

 理想は高まり、イメージは膨らみ続ける。だから「こうすれば結果が出た」「このプレーが勝因」と断定することはない。常に、あらゆるケースと可能性を残し、探し求める。きっと、この先も。W杯というサッカー選手にとって最高の舞台で、阿部は何を感じるだろうか。喜びなんてすっかり通り越して、ああしたい、こうしたいと頭を悩ますような大会であってほしいと願っている。【山下健二郎】


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奇跡に挑む者たち
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 日刊スポーツ紙面では「世界4強 岡田ジャパン 奇跡へ」を連載中です。「奇跡」をキーワードにいくつかのテーマに分け、現在は日本代表23選手のルーツを探る「奇跡に挑む者たち」を連載しています。ニッカンコムでは、各回の「取材後記」を掲載しています。紙面とあわせてお楽しみください。

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