2010年5月27日

＜楢崎正剛：取材後記＞
　取材を終え、お礼を伝えると、そのままの流れで子育ての話になった。日本代表ＧＫ楢崎正剛（３４）は立派な２人のパパ。独り身の私には良く分からない点もあり、あれこれ聞くと「子育てはサッカーと一緒かもしれない。サッカーもこういう練習すれば良いとか一応の対処法はある。でも試合になればいつ、どんな時、何が起きるかは分からないわけやから、同じかなと」と教えてくれた。
　しかし、父と子は似るものだ。楢崎正剛という選手の取材もなかなか難しいが、大耀くんも難易度が高かった。じっと相手を観察し、軽々しくはしゃべってくれない。父は「そりゃ、オレの息子だからね」と言って笑っていた。難しいだけではなく、言葉の数は決して多くはないが、その中に必ずグッと響くフレーズがあるという点も同じ。だから、取材させてもらって楽しいという思いまで、似ていた。
　紙面に掲載された大耀くんからパパへの似顔絵メッセージは、アゴに特徴があるなかなかの好仕上がりだ。１度書いたものは、アゴのシャープさが控えめで、楢崎本人を除く家族から書き直しのアドバイスが飛んだらしい。「別に書き直さなくていいのにね」と経緯を教えてくれた楢崎の笑顔をみて、家族っていいものだなと、思わされた。【八反誠】