2010年5月14日

＜玉田圭司：取材後記＞
　幼い玉田圭司（３０＝名古屋）のアイドルだった「お兄ちゃん」は、玉田にそっくりのイケメンだった。メディアにはこれが初登場。貴重な取材の機会をいただいた。現在、都内の会社で営業マンとして働く兄俊之さん（３４）は物腰柔らかで頭の回転が速く、話術もこちらが引き込まれるほどだった。これまで１度も表に出たことはなかった。だが、玉田が５歳上の兄にあこがれてサッカーを始めたキッカケだけは、いろんなところで語られてきた。玉田が０６年に出したオフィシャルブックでも「兄」「５つ上」と記されている。
　「ボクはここ１０年ほど、ずっと『５歳上の兄』という存在だったんです。取材のお話をいただいた時『ついに５歳上の兄が新聞に出ちゃうかも、って』友だちにメールしちゃいました」。初対面のこちらの緊張をほぐすように切り出してくださった。
　「今まで１度も語られてない話をお伝えしなければと、弟が出した本もトイレにこもって読み直して来ました。トイレでじっくり読むのは、兄弟のクセなんですけど…」。記者顔負けの、事前準備までしていただいた。
　ご本人はご存じないかもしれないが、俊之さんには小さいころにも別の呼び名があったようだ。玉田が教えてくれた。『浦安の翼君』－。漫画『キャプテン翼』の主人公になぞらえて、そう呼ばれていたという。誇らしげに話す玉田と、弟を誇りに思っている兄。素晴らしい兄弟だなと、うらやましくなった。【八反誠】