日刊スポーツの南アフリカW杯特集ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです



信頼関係があるから…鉄拳が長友を変えた

2010年5月12日

 <長友佑都:取材後記>
 スーツでさっそうと現れた金大慶氏(25、会社員=DF長友佑都の明大2年先輩)を一目見て、「キャプテンだな」と思った。理由はうまく表現できない。20代半ばにもかかわらず、落ち着いた物腰。若さにありがちな、とげとげしさがない。「貫禄(かんろく)がある」という表現が、最もふさわしいか。この男なら、組織のトップを任せられる。そう思わせる好人物だった。
 私も体育会でサッカーを10年間続けた。中学1、2年時には、365日のうち、約200日は先輩に呼び出されて殴る蹴る、または言葉の暴力を浴びた。中1でのポジションはセンターバック。攻撃と守備に分かれての練習の際、マークにつくFWが不良が集まったサッカー部内で1番のワル。GKが2番目のワルだった。厳しくマークすれば、練習後にFWのワルに呼び出されて難癖つけられる。といってシュートを打たせるものなら、GKのワルに呼び出されて殴られる。理不尽で陰湿な暴力は日常茶飯事。中学生だから比較するのはどうかと思うが、金氏のような先輩はいなかった。
 取材は生々しい暴力の場面から始まった。だが、金氏と長友との間にあった一事に、暗さを感じなかった。暴力に対して嫌悪感を抱く私が、ある種のすがすがしささえ感じた。金氏は長友を殴る前、サブキャプテンの小川佳純(現名古屋)に、「おれがいきすぎたら止めてくれ」と伝えていたという。「殴らなければ直らない」と思って行動に出た金氏と、「殴られなければあのころのおれは変わらなかった」と振り返る長友。今でも続く2人の信頼関係に、学ぶべきことは多いと感じた。【塩谷正人】


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • ツイッター
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

奇跡に挑む者たち
奇跡に挑む者たち
 日刊スポーツ紙面では「世界4強 岡田ジャパン 奇跡へ」を連載中です。「奇跡」をキーワードにいくつかのテーマに分け、現在は日本代表23選手のルーツを探る「奇跡に挑む者たち」を連載しています。ニッカンコムでは、各回の「取材後記」を掲載しています。紙面とあわせてお楽しみください。

最近のエントリー


ニッカンスタジアムへのご参加はこちらから

[受付終了]Q33 オランダvsスペインの勝敗は?

解答期限
[07/12 03:30]

海外代表ニュース

記事バックナンバー

日本代表ニュース

記事バックナンバー

A組
南アフリカ
メキシコ
ウルグアイ
フランス
E組
オランダ
デンマーク
日本
カメルーン
B組
アルゼンチン
ナイジェリア
韓国
ギリシャ
F組
イタリア
パラグアイ
ニュージーランド
スロバキア
C組
イングランド
米国
アルジェリア
スロベニア
G組
ブラジル
北朝鮮
コートジボワール
ポルトガル
D組
ドイツ
オーストラリア
セルビア
ガーナ
H組
スペイン
スイス
ホンジュラス
チリ









大会データ 得点ランキング、日本代表全成績、W杯ヒストリー、歴代得点王&MVPなど



  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 南アフリカW杯
  3. コラム
  4. 奇跡に挑む者たち

データ提供

(株)日刊編集センター/InfostradaSports

ここからフッターナビゲーションです