2010年4月24日

＜ポドルスキ編：取材後記＞
　ケルン中央駅からトラムで２０分、ついた最寄りの停留所から歩くこと１５分。自然保護区域に指定されている森の中にケルンの練習場はあった。プロ用の天然芝の練習場が２面、育成層用に天然芝の試合用スタジアムと練習場が２面半、人工芝が２面、人工芝が敷かれた体育館もある。それでも関係者によるとこのあたりのプロクラブでは規模が小さいほうだと言う。
　そんな中ケルンの「売り」は、育成層からトップチームにいたるまでの家族的な雰囲気。プライベートでもくつろげる環境づくりに気を配っている。成功した途端、態度を変える選手も珍しくないプロの世界だが、ケルンでは育成層を経てプロになった選手が、以前と変わることなく、ファンやスタッフ、コーチ陣と談笑する風景が自然にある。
　ラルフ・クルトビッヒさんは「僕らケルン人はフレンドリーで陽気なんだ。ポドルスキもこうした空気の中で育っていった。サッカー選手も一人の人間だからね。居心地の良さが何よりも大事なんだ」と語っていた。大好きなサッカーに心置きなく集中できる環境が偉大な選手をはぐくんでいく秘密の１つかと感じた。（中野吉之伴通信員）