2010年4月22日

＜セスク編：取材後記＞
　バルセロナ郊外にあるバルセロナの練習場ジョアン・ガンペール。近郊鉄道の窓から見えるその広大な施設の中で、ひときわ大きく見えるのがチームのエンブレムだ。そのエンブレムの下にバルセロナ市内はもちろん、スペイン、そして世界中から明日のメッシ、シャビ、イニエスタ、プジョール、ビクトル・バルデスを目指す子供たちが集まり、日が沈むまでサッカーに真剣に取り組んでいる。

　前回のメッシ、そして今回のセスク取材と何人かの指導者に話を聞くことが出来たが、興味深かったのは、監督の目を気にすることなく自分たちの描いたイメージどおりに選手たちがチャレンジし、どんどんミスをすることをどの指導者も望んでいたこと。

　もちろんチームコンセプトは大事だが、それに縛り付けるのではなく、選手の自由な発想を認める。選手自身が体でそのプレーを覚え、必要な時にだけ修正するその指導方針が、１つの型にはまることのない変幻自在のバルセロナサッカーのベースにあるものなのだと、深く考えさせられた。（山本孔一通信員）