蒸し暑い、銭湯感覚...ダーバンは日本有利

　日本代表は１９日、ダーバンスタジアムで優勝候補とされるオランダと対戦する。開催地ダーバンは、南アのマイアミと呼ばれるインド洋に面した亜熱帯性気候のリゾートだ。６月は冬だが、日中の気温は２３度前後で暖かい。インド洋からの湿った風も相まって、海岸線にあるスタジアム内は蒸し暑い。シャワールームや小用トイレ、ジェットバスには仕切りがない開放的な構造で、文字通り裸の付き合いができる銭湯風の造り。さらにチームの結束が深まること間違いなしのスタジアムだ。

　優勝候補の一角とされるオランダとの決戦。Ｅ組最強とみられているオレンジ軍団との決戦会場「ダーバンスタジアム」を、のぞいた。ダーバンスタジアムはインド洋まで約５００メートルの海辺にある。６月は冬とはいえ、暖かく、海風は湿気を含んでいる。試合が行われる昼間の気温は２０度を超える。ピッチに入った第一印象は蒸し暑いの一言だった。

　東からの海風の巻き込みを抑えるため、すり鉢状のスタジアムの縁部分にテント状の屋根がせり出すデザインが特徴だ。この屋根のおかげで、ピッチに立つとあまり風は感じられず、蒸し暑さがさらに強まる印象だ。不快指数は高いが、毎年梅雨のじめじめを経験する日本代表の方がダーバンスタジアムの蒸し暑さへの忍耐力がある？　とプラスにとらえることもできそうだ。

　選手のロッカールームで特徴的なのは、シャワールームなどにまったく仕切りがない開放的な造りだ。タイル張りの大部屋の壁に、シャワーヘッドが１０個並ぶだけ。別室のジェットバスルームも、タイル張りの大部屋の床に９つの風呂おけが掘られているだけで、仕切りはない。日本の国立競技場のシャワールームには、仕切り板とカーテンがあり"個室"化することが可能で、国立競技場関係者も「それは開けっぴろげですね」と驚くほどだ。ダーバンスタジアムのシャワー室は、文字通りの「裸の付き合い」を生む、日本の古き良き「銭湯」状態。オランダ戦に勝って"銭湯"に入れば、さらに日本代表の結束が高まりそうだ。

　またダーバンスタジアムは、スタンドの客席がマーブル模様なのも特徴的。ピッチ付近の青から２階席上部のオレンジまでグラデーションがかかったように色彩が変化する。単色ではなく、さまざまな色がちりばめられている理由は「客席が空いていても、満席に見えるから」（スタジアム関係者）という。基本的にシートの色はピッチに近い方が日本のサムライブルーだ。スタジアムの色合い的には、日本有利？　になるかもしれない。