19日オランダ戦ＰＶは３Ｄ映像上映

　Ｗ杯南アフリカ大会１次リーグ、１９日の日本－オランダ戦のパブリック・ビューイング（ＰＶ）が３Ｄ映像で上映されることが１５日、明らかになった。横浜市内の映画館で実施されるが、同日夕にインターネット上で情報が公開されたと同時に"観戦チケット"が飛ぶように売れてしまった。映画では３Ｄ作品のヒットが続いているが、スポーツの生中継が映画館で上映されるのは、関係者によると「世界初かもしれない」という。

　日本がカメルーンを破って国内でようやくＷ杯が盛り上がってきた。オランダと戦う１９日が注目されているが、そのオランダ戦を３Ｄ映像で見られるＰＶが登場した。ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウン（横浜市都筑区）で行われるＰＶが、２Ｄから３Ｄに"昇格"することが、１５日午後５時に発表された。

　もともと映画館のスクリーンでみられるＰＶということで同映画館では、３４８席を販売していた。同日までに約１５０席が埋まっていたが、携帯電話やネットを通じて３ＤＰＶに変更されたことが伝えられると、２時間後には残席はわずかになってしまった。

　今回のＷ杯で３Ｄ映像は２５試合。３Ｄ映像の試合はスタジアムに専用カメラを設置している５会場が対象となる。オランダ戦の会場ダーバンは、今大会に向けて最新の撮影機材が設置されたハイテクスタジアムで、実施される全７試合が３Ｄ放送される。

　試合のわずか４日前での３Ｄへの変更には理由があった。映画のように変化しないデータを扱うのとは違い、生放送される３Ｄ映像をスクリーンで不都合なく視聴できるか、その検証を続けていたからだという。０９年１２月に国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）がＷ杯史上初めて、今大会の試合の一部をテレビ放送で３Ｄ映像化することを発表した。これを受けてワーナー・マイカルでは、１０年１月から約半年、劇場での３Ｄの検証を重ねた。その結果、スクリーン上で躍動するサッカー選手や蹴られたボールの空気を切り裂くような臨場感の再現に成功したという。

　同社担当者は「なんとか間に合いました。ボールが飛び出てくるとかではなく、それこそピッチの真横で試合を観戦しているイメージ。生の奥行きがあって迫力満点です」。観戦するには専用の「リアルＤ型メガネ」をかける。ちなみに入場料は２０００円。日本－オランダ戦は３Ｄ放送では９試合目になるが、関係者は「映画館のスクリーンで生のＷ杯の試合を３Ｄ映像化できるところは物理的にもほかにはないと思う。断定はできないが映画館でのＷ杯３Ｄは世界初なのではないか」と話している。【寺沢卓】