【Sawbona! W杯】日本代表新春インタビュー:内田篤人
2010年1月26日
テーマは気持ちの強さ
日本代表デビューから、わずか2年。積み上げた国際Aマッチ出場数が「27」まで達した若き右サイドバック内田篤人(21=鹿島)は、岡田ジャパンで確固たる地位を築き上げた。甘いマスクから女性人気も高いが、自分自身を冷静に見つめ、周囲への感謝も忘れない。岡田監督と本気で世界4強を目指す上で「気持ちの強さ」をW杯イヤーのテーマに挙げた。【取材、構成・菅家大輔】
冷静さ慎重さ
スピードと運動量を生かしたプレースタイル、女性誌も注目するさわやかなルックス。岡田ジャパンのメンバーの中でも屈指の人気を誇る内田だが、6月に迫ったW杯に向けて紡ぎ出した言葉は、冷静かつ慎重なものだった。
内田 「W杯って言われても、まだ出たことがないから分からないんだよなあ。(プロ入りした06年の時は)今年のW杯に手が届く場所にいられるとは思ってなかったし。どういうものか知りたい部分もあるし、出たいよ。W杯4強? それは目指しているよ。みんなもそうだと思う。でも(自分は)W杯には出たことがないから、どうやったら勝てるかなんて分からない。だから、一生懸命やるしかない」。
自らを「石橋をたたいて渡る性格」と言うほどで、日本代表常連ながら普段から「危機感がある」と口にする。だからこそ、大風呂敷は広げないが、今の自分に何が必要かは冷静に分析できている。
内田 「今年の目標とするサイドバック像? 相手によって変わるから。でも、1つは攻撃の型を持ちたいと思う。(G大阪の)安田理みたいに、ボールをまたいで前に-という動きは分かっていても止められない。型があれば、楽に攻められる部分もあるし。昨季は周りをうまく使いながらと思っていたし、その方が面白い。だけど、周りに逃げたくはないという気持ちはある。ただ、FWみたいに攻撃の選手ではないので、まずは守備というのもある」。
指揮官恵まれ
鹿島入団1年目の06年にはアウトゥオリ監督にレギュラーに抜てきされ、07年からはオリベイラ監督のもとで3連覇。「監督に恵まれている」と話す内田にとって、岡田監督も特別な存在に映っている。
内田 「岡田監督は選手との距離感が絶妙。近すぎてもダメだと思うし、遠すぎるのもダメ。その辺りがすごい。この人が日本人でトップの指導者なんだと思うし、本当によく見られてる、分かられてると感じることが多い。普段、指摘とかをされることはないけど、昨年の秋、おれは調子悪かった時があったでしょ。その時に、岡田監督に『おれは篤人が不調とか、吐いているとか、そういうところを見てるんではない。お前がいかに裏に抜けてクロスを上げられるか、楽しそうにプレーできているのかを見るために視察に来てる。だから、そんなに気負う必要はない』と言われたんだ。あの一言でだいぶ楽になれた。この年齢でこれだけの経験をさせてもらえているし、感謝してる。監督のためにもW杯で頑張りたい気持ちはあるよ」。
09年は体調不良と右ひざ故障を背負いながら、代表とクラブで奮闘し続けた。「日本一忙しいサイドバック」にとって、今オフは最高の休養になった。
内田 「実家にも戻って、本当にリフレッシュできた。右ひざも、もう問題ない。トレーニングは1月5日ごろからやってた。そばの山を走った。走ったというより、歩いた。(傾斜が)きついから。初蹴りには何回行ったか分からない。1月2日は(清水)東、3日は静岡東…。だから、体はある程度は動かせた」。
武器取り戻す
岡田監督に高く評価されていた「トラップの時にボールを体の前に置ける」という持ち味が、昨季は影を潜めたと判断されていた。だから、岡田監督への年賀状には「気持ちとトラップは前へ」という言葉を添えた。監督の意図をしっかり理解しているところを示した。その意図をぶつける舞台がW杯だ。
内田 「正直、外国人の方がやりやすい部分もある。Jリーグと違って(特徴を把握されてないから)何で(守備時に)こんなところに立ってるの…と思うこともあるから。でも、対戦国のVTRを今、見るのも勉強だとは思うけど、その時に感じることも大事だと思う。まだ、代表に決まったわけではないし、ちゃんと代表に入ってから(W杯のことを)考えたいというのもある」。
今季のテーマの1つに「気持ちの強さ」を挙げる。鹿島の主将MF小笠原に「もっと強くなって欲しい。まだ弱い部分を出す時がある」と指摘されてもいる。
内田 「(小笠原)満男さんにはなれないかもしれないけど、やっぱり気持ちの強さは必要だと思う。満男さんという見本も身近にいるし。W杯も最後の、ギリギリの部分が大事になってくると思うから。だから、日々の生活から意識を高く持って、やっていきたい」。
◆内田篤人(うちだ・あつと)1988年(昭63)3月27日、静岡県函南町生まれ。清水東高から06年に鹿島入りし、同年3月の開幕戦に鹿島史上初めて高卒新人で先発。その後も主軸として活躍し、07年4月のA代表合宿に初招集。08年1月の親善試合チリ戦で代表デビューし、08年6月のW杯アジア最終予選バーレーン戦で日本のW杯予選史上最年少となる代表初得点をマーク。国際Aマッチ出場27試合、1得点。血液型O。176センチ、62キロ。
※ニュースの日記を書く方法はこちらで紹介しています。
このニュースには全0件の日記があります。
- Sawbona! WorldCup!!
- 来年6月の開幕まであと1年足らず、日本がW杯南アフリカ大会に向けて本格的に動きだした。毎週火曜日付でお届けする「Sawbona(サウボーナ)! World Cup」
カテゴリー
- Sawbona! W杯(42)
- W杯 AtoZ(26)
- 俺のW杯(26)
- 南アフリカNOW(30)
- 喜望峰に輝く注目の新星(10)
- 現地発南ア通信(10)
最近のエントリー
[受付終了]Q33 オランダvsスペインの勝敗は?
- 解答期限
- [07/12 03:30]
海外代表ニュース
- 予言タコ、パウル君にスペインユニホーム [23日09:32]
- マラドーナ、協会会長と21日に去就会談 [20日08:49]
- パウル君トレード拒否「売却考えてない」 [17日09:35]
- W杯無得点イングランド代表へスキー退く [16日08:47]
- ベッカム代表意欲「引退考えることない」 [16日08:45]
- マラドーナ監督続投一転国民86%「NO」 [16日08:40]
- W杯覇者MFシルバ、マンCへ移籍が完了 [16日07:55]
- タコに破格オファー提示マドリード動物園 [16日07:45]
- 35歳ベッカム、代表復帰意欲「いつでも」 [15日08:52]
- スペインDFプジョルが代表引退の意向 [15日15:18]
日本代表ニュース
- 西村審判南ア報告会見「目標達成できた」 [17日07:42]
- ドゥンガ監督から日本語で抗議受けました [16日19:36]
- 闘莉王合流ピクシー激励に「やる気出た」 [16日08:42]
- 岡田監督後任「できるだけ早く決めたい」 [16日07:40]
- 日本招致委、森島氏招致アンバサダー就任 [14日08:15]
- 第4審判西村氏、主戦場ピッチ外で大忙し [13日11:58]
- 長友、内田と共闘宣言「盛り上げたい」 [13日11:58]
- G大阪遠藤18日復帰に照準「まずはJ」 [13日11:55]
- シャルケ内田渡欧「強い男になってくる」 [13日09:04]
- 香川ドルトムント入団発表、背番号「23」 [13日07:58]