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【Sawbona! W杯】日本代表新春インタビュー:長友佑都

2010年1月19日

カメルーンにも当たり負けない

 岡田ジャパンの左サイドバックといえば、誰もが迷いなくDF長友佑都(23=東京)を挙げるだろう。1試合平均の走行距離はチームトップ級の12キロと言われるほど走り回るタフネスDFは、岡田武史監督(53)に発掘されて以降、急成長を続けている。小柄な体格ながらも鍛えぬいた強靱(きょうじん)なフィジカルを最大の武器に、W杯で強烈なインパクトを残そうとしている。そんな長友が夢の舞台となるW杯での4強入りへの本気度を熱く語った。【取材、構成・藤中栄二】

充電

 エネルギーを充電した長友は今、主に東京・小平グラウンドで自主トレを続けている。08年の東京加入後、過去2年間は長期オフでもトレーニングを欠かさなかった練習の虫が昨オフ、心身ともに完全休養した。

 長友 「プロになって初めて2~3週間、完全に休みました。やっぱり昨年は故障(8月に虫垂炎手術、10月に左ひざ炎症、右肩脱臼など)が続いたし、体を休めてあげないといけなかった。自分にとって休むことはかなり勇気が必要だったけど、シーズンに入ったら爆発しようと。自分を追い込み、飢えた状態です」。

 完全休養時は、サッカーを忘れようと心掛けた。

 長友 「どうしても体を動かしたくなるし、何もしないと考える時間があるけど、心身ともに休ませるためにサッカーから離れたかった。北海道に行きましたよ。おいしいものを食べて温泉に入って、本当に良い休暇になりました」。

ポジ

 08年4月の日本代表候補合宿に招集されたことを契機に、成長は急上昇カーブを描いた。同5月のコートジボワール戦で代表初出場後、最終予選からは不動の左サイドバックとなった。

 長友 「この2年間で一番変わったのは絶対にメンタル面。強く感じたのは(昨年9月)ガーナ戦で、自分が与えたPKで失点した時、今までならば『やってしまった』と落ち込んでいたけど、その時は『相当、良い経験ができている』と真っ先に考えた。もしW杯でミスして失点したとしても、その時に下を向いてメンタル的に落ちるとチームに迷惑がかかる。親善試合で経験しておくと、W杯でもブレない。経験って大事だなって思う」。

 常にプラス思考に切り替えられるのは、日本代表の岡田監督による言葉の効果が大きいという。

 長友 「いつも試合前ミーティングで(岡田)監督は『このチームに呼んでいるのは必ず良いところがあるからだ。1人1人良いところを存分に出してほしい。腰が引けたようなプレーが一番見たくない』と言っている。だからボクらも自分の特長を出そうとするし、チームのために働こうという気持ちになる。ネガティブな気持ちは1つもない。すべてポジティブに受け取ることができる」。

俊輔

 MF中村俊輔(エスパニョール)を「師匠」と慕っている。代表戦では中村俊にアドバイスを受けるシーンが多く見られるが、控室などでは積極的に自らの意見をしっかり伝えている。

 長友 「当然、言い方はありますが、自分の考えも言わないといけないと思っている。俊さんのように自分に言ってくれる人にも、ボクの考えが伝わらないと『こいつ何を考えているんだ』ってなってしまう。意見を言うことで、チームとしても個人としてもプラスアルファが出てくると思う」。

意識

 岡田監督は代表選手に体幹トレーニングを奨励しているが、既に長友は代表入り前から体幹を鍛えようと意識していた。

 長友 「高校で身長が伸びなかったので、フィジカルで勝負しないといけないと考えた。大学時代に腰のヘルニアで半年ぐらい欠場した時、サッカー部のトレーナーだった芝田(貴臣)さんに鍛えてもらった。例えば腹筋も、ただやればいいのではなく、意識の入れようで全然、鍛え方が違う。それは大きかった。プロになる直前には(元東京トレーナー)木場(克己)さんと出会って体幹トレを本格的に始めました。この間も2泊3日で八丈島で木場さんと体幹トレを積んだ。島の坂道でダッシュしました。たとえ短い期間でもやると全然、違うんですよ」。

 W杯まであと6カ月。ベスト4を狙うため、まずカメルーン、オランダ、デンマークと互角以上に戦わなければならない。

 長友 「ボクの中では6カ月間でアフリカの選手にも絶対に当たり負けしない体をつくれる手応えはある。今も芯から体を鍛えているし、フィジカルや体幹トレを徹底的にやろうと思っている。やるだけ伸びているのが分かる。何が大事なのか、足りないのか。自分で把握できている」。

活躍

 左サイドバックという、目立つポジションではないからこそ、大きな個人としての目標も胸にある。

 長友 「世界から注目されるサイドバックになることが目標。W杯でインパクトを残したい。もちろんチームに貢献した上で世界の人たちが『あの日本のサイドバックは誰だ?』って言われるぐらいに活躍したい。ボクが小学生だった時のように、夢を持った子供たちがW杯を見ていると思う。自分は(初めて見たW杯)フランス(大会)の印象が今も鮮明に残っている。自分も子供たちに夢を与えるぐらいの試合をしたい」。

 岡田監督は「(4強入りへ)本気になった選手が15人以上いる」と明かすが、そのうちの1人は長友であることは間違いない。

 ◆長友佑都(ながとも・ゆうと)1986年(昭61)9月12日、愛媛・西条市生まれ。名門の東福岡高に入学し、明大へ進学。在学中の07年に東京の特別指定選手に。同4年時の08年に東京とプロ契約を締結。同5月のコートジボワール戦でA代表デビュー。同11月のシリア戦で代表初ゴールも挙げた。同8月の北京五輪にはU-23(23歳以下)日本代表として出場。現在、岡田ジャパン不動の左サイドバックとして活躍する。170センチ、65キロ。独身。


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