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2010年5月25日

悲しい大差…日本には朴智星がいない/親善試合

<キリンチャレンジ杯:日本0-2韓国>◇24日◇埼玉

 悲しいぐらいの差だったな。韓国がシンプルに効率よくプレーしていたのに対して、日本は基本がなかった。球際の強さ、パスのうまさ、ポジショニングの良さ、プレーのレベルが違った。勝利への執念も韓国の方が上だった。今年に入ってひどい試合が続いていたけれど、壮行試合はその集大成だったよ。
 日本はベスト4を目標にしている。夢を追うのはいいけれど、いつしかベスト4が現実的な目標になっていた。あまりに遠くを見すぎて、足もとが安定しなくなった。自分たちの力を見失って、4強の力があるように感じたんだ。残念だけれど、日本には世界的な選手はいない。韓国には朴智星がいるけど。世界を甘く見ちゃいけないよ。
 岡田監督のインタビューのコメントも「責任を感じてる」って、もう終わった感じだよ。多少選手が代わっても、チームコンセプトがしっかりしていれば影響は少なかった。それがないから、ボロボロになる。沈んでいく船の船長は代えられないんだ。後は、船長と船員が沈まないように頑張ることしかできないんだ。
 メディアやサポーターにも責任がある。ベスト4を目指す日本の力を過大に評価してきた。実体がないバブルが、W杯を前にどんどん大きくなる。もう1度、みんなで考え直すべきだ。韓国に完敗するのが今の日本の力。その現実を受け止めて、世界に対してひた向きにチャレンジする。それができるなら、この負けも無駄ではない。(日刊スポーツ評論家)


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セルジオ越後
セルジオ越後(せるじお・えちご)
 1945年(昭和20年)7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ、日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多く、各地の講演活動も好評。

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