Sawbona（こんにちは）南アフリカ

【喜望峰に輝く注目の新星】代表に復帰　改心した困り者

2010年3月23日

フランスＭＦハテム・ベンアルファ（２３＝マルセイユ）

　０４年のＵ－１７欧州選手権に優勝し、得点源として名前を売った。当時監督のベルジェロー氏は「個人プレーに走る傾向はあるが、状況をがらりと変えられる天才」と評する。リヨン時代の０４年９月、欧州ＣＬに１７歳６カ月で初出場。スピードに乗ったドリブルで周囲を驚かせた。０７年１０月のフェロー諸島戦でＡ代表デビューし初ゴールも奪った。

　父は元チュニジア代表のカメル・ベンアルファ氏。二重国籍を持ち、０６年Ｗ杯前にはルメール監督からチュニジア代表入りを打診された。しかし精神面の問題から伸び悩んだ。時に同僚と衝突し、時には監督への反発からプレーを拒否。今季はデシャン監督のもと控えに回されることもしばしば。豊かな才能を持ちながら、順風満帆な歩みではなかった。

　３月３日のスペイン戦で、約１年５カ月ぶりに代表に復帰した。ドリブル、スルーパスを武器にスーパーサブとして期待が高まる。「誰が自国のためにプレーするのを誇りに思わない？　僕はここに残ってＷ杯に行く」。「マルセイユの困り者」とまで呼ばれた問題児は、ようやく改心した。（松本愛香通信員）

　◆ハテム・ベンアルファ　１９８７年３月７日、パリ西郊外クラマール生まれ。アンリ、アネルカらを輩出したクレールフォンテーヌ国立サッカー学院出身。リヨンと１５歳でプロ契約した天才少年。国際Ａマッチ７試合１得点。１７８センチ、６９キロ。ＭＦ、ＦＷ。