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【喜望峰に輝く注目の新星】皇帝も絶賛「バラックの後継者だ」

2010年3月16日

喜望峰に輝く注目の新星

ドイツMFトニ・クロース(20=レバークーゼン)

 3日のアルゼンチン戦で、A代表デビュー。柔らかいボールタッチ、精巧なキックを武器に、07年のU-17(17歳以下)W杯では主将としてドイツの3位に貢献し、大会MVPまで獲得。皇帝ベッケンバウアー氏からは「彼こそバラックの後継者だ」と絶賛された。
 17歳だった07年9月26日のコトブス戦でリーグデビューし、わずか18分の出場で2アシストした。だが、選手層の厚いバイエルンでは温厚で控えめな性格が災いし、出場機会を得られず伸び悩んだ。09年1月に、レバークーゼンへのレンタル移籍を決断。今季は名将ハインケス監督の下でゴールに向かう強気な姿勢、ボールを持たない時の動きが格段に向上し、「セットプレー要員」と揶揄(やゆ)された過去から脱却した。
 得意のFKに加え、常に危険なところを狙える視野の広さ、動きながらピンポイントで通すキックの精度にも磨きがかかった。MFながら現在リーグ9得点、7アシスト。近年ドイツ最高のタレントが、世界最大の舞台に間に合った。(中野吉之伴通信員)

 ◆トニ・クロース 90年1月4日、ドイツ・グライフスバルト出身。ロストクのユースから06年バイエルン入り。父はロストクのユース監督、母は旧東ドイツのバドミントン王者、弟フェリックスはロストク所属でU-19ドイツ代表。182センチ、74キロ。


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