Sawbona（こんにちは）南アフリカ

【Sawbona! W杯】復活を期すスーパースターたち

2009年10月27日

ロナウジーニョ復帰予測度50％

　Ｗ杯３２チーム中２３カ国の出場が決まり、代表生き残りをかけた選手たちの選考レースも既に始まっている。Ｗ杯イヤーを迎え、全盛時の輝きを取り戻そうとするベテランたち。そこで現在は代表から遠ざかっているが、所属クラブでの活躍をステップに、ブラジル代表返り咲きを狙うＡＣミランＦＷロナウジーニョ（２９）ら「ゴールデン・オールディーズ（黄金の古株組）」にスポットを当てた。

　ロナウジーニョに、トレードマークの「スマイル」が戻った。２１日の欧州チャンピオンズリーグ、Ｒマドリード戦。３トップの左ＦＷで先発し、全盛時を思い起こさせるプレーを連発した。ＤＦ２人を背負いながら、浮き球を胸でピタリと静止させるボールキープ。スタンドをどっと沸かせた。軽快なドリブル突破も披露し、ピッチ上で楽しげな笑みを振りまいた。

　１カ月前と比べ、明らかにコンディションは上向いた。９０分間プレーしても息が上がらない。レアル戦の３日前のローマ戦でも１得点１アシストし、チームを逆転勝利に導いた。つい最近もイタリア紙に夜遊び癖が報じられ、「ウイスキーのとりこになっている」と書かれたが、そんな姿はどこにも見当たらなかった。

　ロナウジーニョ　「多くのトレーニングを積んだことで、とてもいい状態になった。フィジカル、ボールコントロール、そして精神状態も良好だ。この状態を維持していきたいし、すべてのファンに満足してもらえるよう努力したい」。

　Ｗ杯という目標があるからこその優等生発言だ。ロナウジーニョは４月１日のペルー戦の出場を最後に、代表から外れた。ミランで控えに回り、コンディション不良は明らかだった。苦い経験を糧に「まずはミランで結果を出すこと。そうすることで代表への道は開けてくると思う」と言う。そんな「改心」の裏にはミランのレオナルド監督の存在が大きい。私生活の問題が取りざたされても「ピッチ上で判断するまで」と不問にした。親しみやすく穏やかな人柄で、選手にとっては監督というよりアニキ。ブラジル代表のドゥンガ監督もそんな状況を理解し、元エースの再生を期待する１人だ。

　ドゥンガ監督　「レオナルドはブラジルサッカー界に本物のロナウジーニョを取り戻させてくれる最適な人材だ。彼はロナウジーニョのモチベーションの上げ方を知っている。もちろん選手本人が解決策を見つけなければならないが。南アフリカＷ杯のためにも、ロナウジーニョが復活することを願う。ブラジルサッカー界が彼を待っているんだ」。

　「過去の人」と見る向きもあるが、現代表はブラジルらしからぬ手堅いチームとあって、国内には「曲芸師」の復活を願う声は根強い。自身３度目のＷ杯出場へロナウジーニョは笑うのか、泣くのか。Ｗ杯戦士が発表される来年５月に、その答えが出る。