Sawbona（こんにちは）南アフリカ

【Sawbona! W杯】ニッカン夏季講習・数学

2009年8月12日

ニッカン夏季講習２時限目・数学

　「ニッカン夏期講習」の第２回は「数学」です。今回はサッカー記録担当の石川秀和が講師を務めます。日本代表の岡田武史監督（５２）は「世界の４強」を目標に掲げていますが、日本にとって未知の領域となるＷ杯４強は、過去にどのような特徴を持ったチームが進出しているのか？　データを集計し、分析してみると「７５％」という数字が浮かび上がりました。また、南アフリカ大会を数倍楽しく見るために、さまざまな数字からＷ杯を「復習」します。

　Ｗ杯は来年の南アフリカ大会で１９回目となります。ノックアウト方式のトーナメント制で行われた３４年と３８年大会を除いた過去１６大会で、４強に進出したチームは６４チームありますが、最も顕著な特徴が白星発進チームの多さです。合計４６チームありました。これは全体の７１・９％に上ります。引き分けスタートは１０チームで、要するに６４チーム中５６チームが「初戦で勝ち点を獲得していた」ということになります。全体の実に８７・５％が初戦で引き分け以上だったわけです。優勝国に至っては、黒星スタートはありませんでした。

　もっとも、Ｗ杯は各大会でその方式も異なります。勝利チームの勝ち点が２から３に変更されたのは９４年大会からです。戦い方も変わってきます。より数字の「精度」を高めるため、３２カ国参加で現行の方式となった９８年フランス大会以降の３大会で見てみることにしましょう。

　４強に進出した１２チーム中９チーム、７５・０％が白星スタートでした。過去３大会は「４強進出＝初戦白星」がより顕著になっています。引き分けスタートは９８年大会のオランダと、０６年大会のフランスだけ。０２年大会で３位になったトルコだけが初戦で負けていますが、その初戦の相手は優勝したブラジルでした。

　南アフリカ大会に４大会連続４度目の出場を決めている日本ですが、過去３大会の初戦と最終結果を見てみましょう。

　大会　初　戦　最終結果
　９８年　０●１　１次敗退
　０２年　２△２　１６強
　０６年　１●３　１次敗退

　黒星スタートだった９８年と０６年大会は１次リーグで敗退しました。ベルギーと引き分けて勝ち点１を獲得した０２年日韓大会では、決勝トーナメントに進出しています（同１回戦でトルコに敗戦）。

　０２年大会で共催した韓国は「Ｗ杯４強」をアジア勢として初めて果たしましたが、同大会では６度目の出場で初めて初戦を白星で飾っていました。

　Ｗ杯４強進出は初戦の戦いが重要ということです。初戦で勝たなければ「世界の４強」はありえないといえます。組み合わせ抽選会は１２月４日。岡田ジャパンの初戦の相手はどこになるでしょうか。

　◆数字 （１＝７割３分７厘）
　Ｗ杯では「開催国は初戦で負けない」というジンクスがあります。通算１４勝５分けと負けなしで、勝率（白星率）は７割３分７厘に上ります。開催１９カ国の最終結果を見ると、優勝が６カ国、準優勝が２カ国、３位が３カ国、４位が１カ国で、４強入りは合計１２カ国。ホームアドバンテージも大きいのかもしれませんが、好スタートがそのまま好成績に結びついています。

　◆数字 （２＝１００％）
　来年の南アフリカ大会はＷ杯史上初めてアフリカ大陸で開催されます。Ｗ杯には「大陸の掟（おきて）」が存在し、欧州開催では「ホーム」の欧州勢が圧倒的に強く、欧州以外の国で優勝したのは５８年スウェーデン大会のブラジルだけです。一方、欧州以外で開催された過去８大会はブラジルが４回、ウルグアイが２回、アルゼンチンが２回とすべて南米のチームが優勝しています。つまり、南アフリカ大会での南米勢の優勝確率は１００％になります。

　◆数字（３＝２４分の９）
　Ｗ杯の得点王は過去２４人います。そのチームの最終成績を出すと、優勝が５人、準優勝が４人、３位からは９人も出ています。前回大会の得点王はドイツ代表のＦＷクローゼですが、ドイツは３位決定戦でポルトガルを３－１で下し３位でした。

　◆数字（４＝１カ国）
　欧州選手権はＷ杯の中間年に行われています。２年後のＷ杯を占う意味でも重要な大会です。ですが、欧州王者は２年後のＷ杯で結果を残せていません。６０年の第１回大会以来、優勝国で２年後のＷ杯も制したのは７２年の西ドイツだけです。０８年の王者スペインは南アフリカ大会で苦戦する？