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【Sawbona! W杯】トルシエは「現実」を見る-2

2009年7月07日

W杯で驚きを起こせるの2度だけ

1度目で決勝T進出 2度目で8強へ それなら可能性はある

 ―では(中村)俊輔の日本代表での役割は? フランスにおけるジダンのような存在と言えますか?

 それは言える。俊輔が欠けると力が30%減少してしまうからだ。彼は試合をひっくり返せる選手であり、実際その力を何度も示してきた。彼はその左足から繰り出すキックで、違いをつくり出すことができる。彼のテクニックやパスの能力は、レアル・マドリードでも十分に通用する。俊輔はフランス代表におけるジダンのような存在で、彼がいることでチームは大幅に強化される。10年は俊輔のW杯ということができる。

 ―岡田監督は日本の目標をベスト4においているが、どう思いますか?

 夢を見ることは誰にも禁じられてはいない。ただ、今の世界の状況と日本の力を客観的に分析したとき、ベスト4は不可能と言わざるを得ない。私は日本が驚きを起こせるのは2度だけだと思っている。優勝候補でもないし、チームは経験を欠いている。確かにいい選手はいるが、フィジカルも足りない。現状では1次リーグ突破すら簡単ではない。1度の驚きで決勝トーナメントに進み、さらに爆発してベスト8に入る。それならば、可能性はある。

 ―ベスト8に入るには何が必要ですか
 1次リーグ3試合で、そこから先でさらに1勝。その4試合のために今から準備すべきだ。夢ばかりを見るべきでもない。日本は海外でプレーする選手が少なく、大きな価値のある選手もいない。ベスト8に進むためには運も必要。いいシナリオができるか否か、いいグループに入るか否かなどの条件が必要になる。

 ―日本にはストライカーがいないと言われますが、コレクティビティでその欠落を補えるのでしょうか?

 選択の余地はない。Jリーグの得点ランキング上位は、軒並み外国人が占めている。確かに以前は、高原や中山のようなストライカーがいた。今は彼らのような本物のストライカーがいない。だからコレクティブにプレーすること、そしてセットプレー。そのふたつこそが、今の日本がゴールをするための方法だ。

 ―岡田監督にアドバイスを与えられるとしたら?

 出来るだけ多くのアウェーゲームを組んで選手が日本とは異なる状況でプレーするようにし、敗北から多くを学ぶことだ。さらに新しい選手を探し続け、海外でプレーしながら代表に選ばれていない選手たちをテストする。私は稲本のことも考えている。岡田監督が彼の存在を忘れていないことを望む。これからの6カ月は実験を繰り返し、あらゆる可能性を試すべきだ。新たなアイデアを確立するために、チームの再構築を行うべきだ。それが同時にチーム内に競争を引き起こし、今いる選手も危機意識をあおられる。それが、W杯までにやるべきことだ。(取材・サッカージャーナリスト田村修一)

 ◆フィリップ・トルシエ 1955年3月21日、パリ生まれ。現役時代はDFとしてプレー。83年に指導者に転身し、コートジボワール、ナイジェリア、ブルキナファソ代表監督を歴任し、98年W杯に南アフリカ代表監督として出場。98年9月、日本代表監督に就任した。U-20日本代表でワールドユース準優勝、シドニー五輪ベスト8、02年W杯日韓大会ではベスト16入りした。その後カタール、モロッコ代表監督を経て、昨年からはJFLのFC琉球総監督も務めている。


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