Sawbona（こんにちは）南アフリカ

【南アフリカNOW】泳ぐより日光浴

2009年11月24日

　南アフリカは日差しが強くなり、もうすぐ夏本番だ。天気の良い昼下がり、子供の楽しげな声と水しぶきの音が聞こえてくる。プールの季節だ。白人は水辺を楽しむ習慣があるが、黒人はアパルトヘイト（人種隔離）政策下、ビーチへの立ち入りを禁じられた。内陸では泳げるような川もなく、旧黒人居住区の学校にはプール施設もない。最近、裕福な黒人家庭の子供たちは水泳教室などで泳ぎを習うが、歴史的な背景もあり泳げない黒人が大多数だ。

　南アの海岸線は、岩場が多く潮の流れが速い。風も強いので、海水浴に適していない。日本のカチ割りのようなアイスが２ランド（約２６円）ほどで売られており、グアバ（フトモモ科の果実）味のアイスを食べながら、雄大な海に時折姿を見せるイルカやクジラを探すのを楽しんだり、日向ぼっこに向いている。

　リゾート地としてはケープタウンやダーバンが人気だ。ケープタウンから車で１時間ほどのボルダーズビーチはケープペンギンの生息地として有名で、ペンギンと海水浴を楽しめるところもある。一方でダーバンでは、ビーチでビールを飲んだ黒人が泳げないことを忘れて海に入り、溺（でき）死する悲しい事故が毎年のように起きている。（エリス・マシャカ通信員）