Sawbona（こんにちは）南アフリカ

【南アフリカNOW】「犯罪多発都市」ヨハネスブルク

2009年7月14日

近距離でも移動は車

　「犯罪多発都市」ヨハネスブルクでは、気軽に外を歩けない。少しの距離でも安全のために車を使う。万国共通の交通手段と言えばタクシーだが、この地では主に黒人が利用するワンボックスカーの乗り合いを「タクシー」と呼ぶ。キャブと呼ばれる一般的なタクシーも見かけるが、ぼったくられる危険があり、地元民さえ利用を控えている。

　路線バスでは白人の姿がほとんどなく、まるで黒人専用の乗り物だ。電車も走っているが、利用なんて考えられない。犯罪の多いヨハネスブルク中央駅は昼間でも薄暗く、怖～い雰囲気が漂う。つまり安心して公共の乗り物が利用できず、マイカーは必需品だ。

　しかしマイカーでも、犯罪に遭う可能性はある。信号待ちで襲撃されることは珍しくない。乗車中は必ずドアロックし、窓は閉め切る。それでも助手席にバッグを置けば、窓ガラスを割られて強奪される。南アでは「バッグはトランクにしまう」のが鉄則だ。運転中に携帯電話で通話し、窓越しに盗まれるケースもあった。いつも危険は隣り合わせ。自らの気の緩みが犯罪を招くことになる。（エリス・マシャカ通信員）