日刊スポーツの南アフリカW杯特集ページです。

  • 日刊スポーツIDについて


ここからこのサイトのナビゲーションです



  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 南アフリカW杯
  3. ニュース


究極パスサッカー世界征服スペイン/決勝

スペインの選手たちは、W杯トロフィーを掲げて喜びを爆発させる
スペインの選手たちは、W杯トロフィーを掲げて喜びを爆発させる

<W杯:スペイン1-0オランダ>◇決勝◇11日◇サッカーシティー

 【ヨハネスブルク(南アフリカ)=佐藤隆志】スペインがオランダとの死闘を制し、悲願のW杯初優勝を遂げた。延長後半11分、MFアンドレス・イニエスタ(26=バルセロナ)の右足ボレーシュートで競り勝った。Rマドリード、バルセロナの世界屈指のクラブを抱えながら、これまでW杯のトロフィーとは縁がなかったが、スペインサッカー「申し子」の一撃で、13度目の出場で史上8チーム目の栄冠を手にした。これで08年の欧州選手権に続くビッグタイトルの獲得。ボールを支配する華麗なパスサッカーで、スペインが新時代の到来を高らかに告げた。

 イニエスタの情熱が、死闘にピリオドを打った。延長後半11分、一瞬のチャンスを逃さなかった。オフサイドラインぎりぎりで、MFセスクからのパスを受けた。的確なコントロールでボールを前に浮かせると、ワンバウンドしたところを右足で打ち抜いた。オランダGKステケレンブルフの右手をはじき、鋭い弾道がゴールネットを揺すった。

 もの静かな男がユニホームを脱ぎ、白のアンダーシャツ姿となった。胸には「ダニ・ハルケ、いつも自分たちと一緒だ」のメッセージ。昨年8月、合宿中に突然死したバルセロナ下部チーム時代の親友にささげるゴール-。スペイン「悲願」の思いが、にじんだ。ピッチの選手だけでなく、ベンチの仲間までイニエスタに覆いかぶさる。スペインは民族間の独立心が旺盛だが、マドリードもカタルーニャもバスクもなかった。

 試合終了のホイッスルに、イニエスタはピッチにひざまずき、両手を上げてガッツポーズ。そのまま後方へ倒れ込んだ。1934年の初参加から、77年越しでつかんだ悲願のタイトル。多彩なテクニックでスペインサッカーの「申し子」とも呼ばれる男が、母国に長年の夢をもたらした。

 イニエスタ みんなでつかんだチャンピオンだ。まだ、自分たちが実現したことの実感はない。優勝の喜びがこれまでとは思わなかった。信じられない。

 187センチと大柄で、強靱(きょうじん)な肉体を誇るオランダMFファンボメルのハードマークに遭った。170センチと小柄ながら、名門バルセロナで培った技術と判断力で対抗。最後は「6番」の攻防が、大一番の明暗を分けた。マン・オブ・ザ・マッチに輝いた男は涙目で「ゴールの瞬間、家族、スペイン、そしてハルケのことを思い出した。これまでハルケに思いをささげることができずにいた。これが一番のものになった」と付け加えた。

 欧州選手権に続くビッグタイトル獲得は、スペイン時代の到来を告げるものとなった。イニエスタ、シャビ、ペドロ、ビリャら小柄な攻撃陣が、多彩なパスワークを武器に攻め立てる。大柄でパワーあふれるチームが優勢な時代にあって、ドイツ、オランダを破っての戴冠。チームとしての技術、戦術眼を主眼にした手法は特別な輝きを放った。イニエスタは「自分たちはスペクタクルな仕事をし、世界を制した」と言う。

 初のアフリカ開催という歴史的なW杯で、スペインが新たな伝説になった。

 [2010年7月13日9時21分 紙面から]


関連ニュース


このニュースには全0件の日記があります。



キーワード:

スペイン

ニッカンスタジアムへのご参加はこちらから

[受付終了]Q33 オランダvsスペインの勝敗は?

解答期限
[07/12 03:30]

海外代表ニュース

記事バックナンバー

日本代表ニュース

記事バックナンバー

A組
南アフリカ
メキシコ
ウルグアイ
フランス
E組
オランダ
デンマーク
日本
カメルーン
B組
アルゼンチン
ナイジェリア
韓国
ギリシャ
F組
イタリア
パラグアイ
ニュージーランド
スロバキア
C組
イングランド
米国
アルジェリア
スロベニア
G組
ブラジル
北朝鮮
コートジボワール
ポルトガル
D組
ドイツ
オーストラリア
セルビア
ガーナ
H組
スペイン
スイス
ホンジュラス
チリ









大会データ 得点ランキング、日本代表全成績、W杯ヒストリー、歴代得点王&MVPなど



  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 南アフリカW杯
  3. ニュース

データ提供

(株)日刊編集センター/InfostradaSports

ここからフッターナビゲーションです