南アフリカW杯
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若きドイツ３発で３位決めた／３位決定戦

＜Ｗ杯：ドイツ３－２ウルグアイ＞◇３位決定戦◇１０日◇ネルソン・マンデラ・ベイ

　ドイツが２大会連続の３位を勝ち取った。ウルグアイとの３位決定戦で逆転を許しながら、後半の２発で再逆転した。ＦＷクローゼを故障で欠くも、２０歳のＭＦトーマス・ミュラー（バイエルン）、２４歳のＭＦマルセル・ヤンセン（ハンブルガーＳＶ）、２３歳のＭＦサミ・ケディラ（シュツットガルト）と若い３人のゴールで制した。２０年ぶりの優勝はならなかったものの、平均年齢２４・９歳と若いチームは、４年後のブラジル大会へ向け、さらなる成長が期待できそうだ。

　最後は、ケディラの初ゴールだった。２－２で迎えた後半３７分。左ＣＫからゴール前で競り合ったボールが、フワリと浮く。すかさず１８９センチと長身のケディラが体を伸ばして頭で押し込んだ。勝負を決める逆転弾。最高の形でＷ杯初ゴールを決めたケディラは「優勝がなくなり、３位決定戦は重要な試合だった。勝利を目指して全力で戦った」と、チームの思いを代弁した。

　９０年のイタリア大会以来（当時は西ドイツ）、２０年ぶりの優勝を狙うも、準決勝のスペイン戦で０－１で惜敗した。敗戦後に戦う３位決定戦はモチベーションの維持も難しい。しかし、平均年齢２４・８歳と若いチームは、最後まで戦う姿勢を見せた。

　レーウ監督　スペイン戦後はつらかったが、失望はしていなかった。チャンピオンチームとは、再度立ち上がれるものだ。満足している。最後の試合に勝て、いい気分で家に帰れるよ。

　７試合で１６得点は、この時点で今大会トップ。オーストラリア、イングランド、アルゼンチンを相手に４得点を奪ったように、高い得点能力を示した。ただ、前大会の得点王で、今大会も４得点したＦＷクローゼ頼みではない。ＭＦミュラーはこの日も先制点を挙げ、クローゼ不在のチームを引っ張った。レーウ監督が「１試合ごとに成長していった」と言うように、若手が力をつけて勝ち上がっていった。

　ミュラー　もちろん（３位は）誇りに思っている。今日勝つことが、僕らにとってもファンにとっても大事だと分かっていた。僕は、今後もこの調子でやり続けていかなければならない。難しいことだとは思う。

　４年後のブラジル大会を２４歳で迎えるミュラーをはじめ、多くの若手選手がさらに力をつけていくことが予想される。決勝ゴールのケディアが言った。「このチームはまだ若い。今回は優勝できなかったが、また次がある」。大会最多となる４度目の３位は、４度目の優勝へ向かう伏線と言っていい。

　［2010年7月12日7時51分　紙面から］