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独とマラドーナ監督場外戦/アルゼンチン

イレブンとリラックスムードで練習するマラドーナ監督(ロイター)
イレブンとリラックスムードで練習するマラドーナ監督(ロイター)

 ベスト4進出へ、ドイツとアルゼンチンの「場外戦」が始まった。3日の対戦を前に、ドイツ選手や代表OBたちがアルゼンチンのディエゴ・マラドーナ監督(49)を挑発。もちろん負けまいと、同監督もやり返した。86、90年と2大会連続決勝で対戦するなどの因縁もあってヒートアップ。メディアや国民を巻き込んでの舌戦で、いよいよW杯らしくなってきた。

 きっかけは、またもマラドーナ監督の「放言」だった。「ドイツのW杯は土曜日で終わる。我々はドイツの倒し方を知っている」。もちろん、ドイツも黙ってはいない。かつてマラドーナとピッチ内外で激しいバトルを繰り広げたOBたちが、次々と応戦した。

 90年優勝メンバーのフェラー氏が「ヤツは騒ぐのも仕事だと思っている」と言うと、ヘスラー氏も「ディエゴなんか、ベンチに座ってるだけで何もしない」と続いた。ブッフバルト氏が「アルゼンチンの守備は崩れやすいからね」と冷静に話せば、マテウス氏は「親愛なるディエゴくん、もし君が僕らの優勝を祝いたいというなら、喜んでパーティーに招待する」と、痛烈な言葉で挑発し返した。

 互いが相手を挑発し合う前哨戦はW杯の常だが、アルゼンチンとドイツの場合は過去の因縁もあって激しさが違う。前回大会も準々決勝の前に、アルゼンチンFWテベスが「シュートは(GK)レーマンの頭に蹴る。ボールが入るか、ヤツの首が落ちるかだ」と挑発すると、クリンスマン監督は「彼程度のシュートならば、ヘディングで返せる」と応戦。同監督は毎試合観戦するアルゼンチンの英雄に向かって「負けて悲しむマラドーナの顔が見たい」とまで言い放った。

 歯に衣(きぬ)着せないマラドーナ監督。大会前は苦戦を予想されただけに、勝ち上がって調子に乗りまくる同監督には手がつけられない。黙っていては完全にマラドーナペース。だからこそ、OBまでもが次々と発言に加わるのだ。

 もちろん、現役選手も黙ってはいない。3月の対戦後の会見で、マラドーナ監督に「子供はあっち行ってろ」と、屈辱的な言葉を浴びせられたMFミュラーは「今の自分は違う。成長したところを見せつけたい」。MFシュバインシュタイガーは「アルゼンチン選手は、すぐに審判にプレッシャーをかける。敬意が欠けている。まあ、それがアルゼンチンだけど」と審判まで「場外戦」に巻き込んだ。大荒れ必至の大一番。試合後、マラドーナ監督は泣いているのか、それとも、はしゃいでいるのか。

 [2010年7月2日11時55分 紙面から]


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