南アフリカW杯
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カペロ監督興奮「私は幸せだ!!」／Ｃ組

: ＦＷデフォーの先制ゴールの祝福の輪に、飛び込むルーニー（ロイター）

＜Ｗ杯：イングランド１－０スロベニア＞◇１次リーグＣ組◇２３日◇ネルソン・マンデラ・ベイ

　イングランドが、決勝トーナメントに滑り込んだ。勝たなければならないスロベニア戦、ＦＷジャーメイン・デフォー（２７＝トットナム）が前半２３分にあげたゴールを、ファビオ・カペロ監督（６４）の「カテナチオ」采配で守りきり、１－０で今大会初勝利をあげた。イングランドは２位で１次リーグを突破した。

　誇り高きサッカーの母国が、なりふり構わず勝利を目指した。試合終盤、Ｊ・コールは右のコーナー付近でボールをキープした。ただ時間が過ぎるのを待つだけのプレーに、イングランドの必死さが表れた。勝利へ、決勝トーナメント進出へ、１点を守りきることだけを考えてプレーした。

　開幕から２試合連続引き分け。優勝候補と言われながら、つまずいた。攻撃がチグハグで、ゴールが遠かった。ＦＷルーニーの調子もいまひとつ。ＤＦテリーの監督批判が、スキャンダラスに報じられた。国民の大きな期待がプレッシャーになり、選手の動きを硬くした。この日も序盤からミスが目立ち、スロベニアに攻め込まれた。それでも、最後は意地で勝ちきった。

　前半２３分、デフォーがＭＦミルナーの右クロスを右足のスネで決めた。「絶対に勝たなければいけない試合で決められて、言葉にならないほどうれしい」と話した。しかし、追加点は奪えない。ＭＦランパードやジェラードがフリーで決めきれず、後半１３分にはルーニーがフリーのシュートを左ポストに当てた。

　後半２７分、イタリア人のカペロ監督はルーニーに代えてＭＦのＪ・コールを送り出した。２トップを１トップにする「守り切れ」のメッセージ。３分のロスタイムを終わると、普段は感情をあまり出さない同監督が、興奮で顔を真っ赤にした。「このチームのスピリットは最高だ。一緒に戦える私は幸せ。彼らは永遠に戦い続ける」と話した。

　テリーが相手シュートに顔から飛び込むなど、守備にすごみをみせたイングランド代表。守備的な戦術で数々のタイトルを手にしたカペロ監督は「次にどこと対戦するとしても、前進あるのみ」と言い切った。プライドを捨てて守りに徹したイングランドが、６６年の地元開催以来遠ざかっている優勝へ１歩近づいた。

　［2010年6月24日12時14分　紙面から］