南アフリカW杯
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朴智星、本田Ｖ宣言に失笑「ふふふっ」

: 前日練習でパス回しする安貞桓（左）と朴智星（撮影・鹿野芳博）

　韓国代表ＭＦ朴智星（２９＝マンチェスターＵ）が２３日、２４日の日本との壮行試合に向けた埼玉県内での公式練習後、日本代表ＭＦ本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）のＷ杯優勝宣言に失笑した。１６日の記者会見で本田が「ベスト４ではなく、優勝を目指していいと思う」と発言したことを聞くと、朴は「優勝？」と言ったまま、しばらく無言。その後、「ふふっ」と失笑し、再び黙考の後、「ふふふっ」と吹き出した。そして、「日本の選手がどんな目標を掲げているかは興味ない。韓国は現実的に１６強に入ることを目指す」と話した。

　世界を知る韓国の英雄は、あくまで現実路線だった。だが、今回の韓国代表は史上最強の呼び声が高い。朴はＣ・ロナウド、ルーニーらとマンチェスターＵで、０７－０８シーズンの欧州ＣＬを制覇するなど、世界の頂点を極めた男。さらに、かつて中村俊輔が在籍していたセルティックに所属する２１歳のＭＦ奇誠庸、プレミアリーグのボルトンでレギュラーの李青龍（２１）ら欧州組５人を擁する。

　経験豊富な０２年日韓Ｗ杯４強メンバーのＦＷ安貞桓（３４）ＧＫ李雲在（３７）金南一（３３）も選ばれ、若手選手にリスペクトされる彼らは精神的支柱としてチームをけん引。日本代表に例えれば、ＧＫ川口能活（３４＝磐田）が３人いるようなものなのだ。世代交代もうまくいき、成長著しい若手とベテランが、バランスよくメンバーに入った。許丁茂監督は来日メンバー２６人を、６月１日で落とす３人を含めて全員南アフリカに帯同させる予定で、チームワークも抜群だ。

　３月には今シーズンプレミアリーグ得点王のドログバ率いるコートジボワールを親善試合で２－０と一蹴。朴は日本戦に向け、「チームとしていろんなことを試してみたい」とテスト的な意味合いの試合にすることを強調。いまだに完成度の低い日本代表とは違い、余裕すら感じさせた。【塩谷正人】

　［2010年5月24日9時53分　紙面から］