南アフリカW杯
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岡田ジャパン、ヨン様超え4200人が出迎え

: 日本代表イレブンを、大勢のサポーターが出迎えた（撮影・加藤哉）

　岡田ジャパンが韓国のスター、ペ・ヨンジュンを超えた。Ｗ杯南アフリカ大会で１６強入りした、岡田武史監督（５３）率いる日本代表が１日、関西空港着の航空機で帰国。海外開催のＷ杯では初の決勝トーナメント進出を果たし、日本中に歓喜をもたらした「青き侍」たちの帰還に、同空港開場以来最多の約４２００人のサポーターが集まった。過去にペ・ヨンジュン来日の際に成田空港で３５００人、関西空港で３０００人のファンが集まったが、それをはるかに上回るフィーバーが巻き起こった。

　日本列島に感動を呼んだ岡田ジャパンが、さらなるフィーバーを巻き起こした。この日、関西空港につめかけた観衆は空港館内に約２７００人、館外に約１５００人の計４２００人。到着ロビーに選手、監督が姿を現すと、ブブゼラを超える音量の？　悲鳴、絶叫、歓声がわき起こった。岡田監督も「正直、驚きました。なんじゃこりゃ、と思いました」と驚きの声を上げた。

　警察官と警備員で合計２００人。厳戒態勢が敷かれた空港内には到着５時間前から人が集まりはじめ、同１時間前には異常なムードが漂った。代表選手が通る場所の頭上にある連絡通路の側面の透明ガラス板には、落下防止のためファンののぞき込みを防ぐ目隠しが施された。到着ロビーのエスカレーターもドミノ倒しを避けるため停止された。関西空港広報部も「（２年前の０８年５月の）ペ・ヨンジュンさん来日の時より多いです。関空の中では一番多いですね」と話した。

　５月２５日。午前４時前という異例の時間に事前合宿地スイスへ出発した際には、羽田空港に集まった観衆はわずか７０人。前日２４日の親善試合韓国戦に惨敗し、岡田監督が進退伺を出すなど、最悪の状態だった１カ月前とは一転、まさに凱旋（がいせん）帰国だった。

　帰国会見では岡田監督が報道陣の大爆笑を誘った。今野に物まねをさせると、ＦＷ森本には「森本は南アフリカの歌を歌うそうです」とむちゃぶり。森本が立ち上がり「歌います。あ～あ～、あ～あ～あ～」と腹から声を出すと、会見場にはなごやかなムードが漂った。

　「私は若い人たちが目を輝かせているのを見るのが大好き。空港に着いた時、（そのような多くの人の姿を見て）正直ジーンときた。最後の仕事と思って全身全霊を尽くしてやると思ってやってきた。４年後まで監督をやるパワーはとてもじゃないけど、ない」。苦悩を経てたどりついたＷ杯、決勝トーナメント進出。その結果巻き起こったフィーバー。会見後の囲み取材の最後に「今までお世話になりました」と言った指揮官は柔和な表情を浮かべていた。【菅家大輔】

　［2010年7月2日9時18分　紙面から］