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前日練習で選手に指示を出す岡田監督（左から３人目)

　日本代表はパラグアイ戦に備え２８日、プレトリアのスタジアムで冒頭１５分を除き非公開の公式練習を行い、コートを狭くしての紅白戦でコンディションを高めた。

　岡田監督　私に理想のサッカーはあるが、今は勝つサッカーをする。相手の力と自分たちの力の関係を考える。力の違いを考えて戦う。その内容は秘密です。

　１次リーグではカメルーン、デンマークの格上を撃破し２位通過。日本代表は自国開催以外では初のアウェー大会での決勝トーナメントに挑む。

　岡田監督　我々はアジアの最後の札としてベスト８に残り、アジア枠（４・５）を減らされないように頑張りたい。

　公式会見の席はほぼ満席。パラグアイ取材陣からスペイン語で質問を受けても、表情を変えることなくスラスラと受け答えした。日本で岡田監督への評価が高まっていると聞かれても、予期したように言った。

　岡田監督　そうらしいですが、私は一切見ていないし、これだけ変わるのであれば…、また変わる。バッシングされても、ほめられても、私は変わらない。ただそれだけです。

　決勝トーナメントに進出した自信は選手にも、そして岡田監督にもある。ベスト８入りを果たせば、日本サッカーへの大きな進歩につながる。そうした周囲の盛り上がりを諭すような口調だった。

　岡田監督　忘れてはいけないのはサッカーには右肩上がりの成長はない。過去の人のいろんな積み重ねの上にある。レンガを縦に積み重ねていけば、いつかは倒れる。どこかで横に積まないといけない時がある。今回１回の結果で、日本サッカーを判断してはいけない。長いスパンで見ないと。ベスト８がすべてを解決してくれるわけではない。

　決戦を前に、哲学を世界のメディアの前で堂々と披露した。岡田監督の総仕上げの９０分間は迫った。いつ笛が鳴ってもいい。

　［2010年6月29日9時29分　紙面から］

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