南アフリカW杯
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松井にスペイン強豪からオファー／日本

: ジョージ空港に到着し、プレトリア行きの飛行機搭乗口へ向かう松井大輔

　【プレトリア（南アフリカ）２７日】日本代表のＭＦ松井大輔（２９＝グルノーブル）が、スペインに移籍する可能性が出てきた。９９－００年にリーグ制覇した強豪デポルティボから獲得の打診を受けていることが、分かった。華麗な攻撃力で１次リーグ全３試合に先発し、日本の決勝トーナメント（Ｔ）進出に貢献したことで欧州での評価が急上昇。すでに打診を受けているバランシエンヌ（フランス）やロシア、ウクライナのクラブに加え、セリエＡに昇格するブレシアも接触。２９日の決勝Ｔ初戦パラグアイ戦でも勝利に貢献すれば「松井争奪戦」はさらに過熱する。

　松井が世界最高峰の攻撃的サッカーを繰り広げる、スペインリーグに移籍する可能性が出てきた。昨季１０位で、９９－００年にリーグ制覇を果たしたデポルティボから獲得の打診を受けていることが判明。今後、代理人を通じて金銭面などの話し合いが行われる模様だ。交渉が成立すればメッシ（バルセロナ）やＣ・ロナウド（Ｒマドリード）、カカ（Ｒマドリード）やビリャ（バレンシア＝来季はバルセロナ）ら、世界的スターが集結するスペインで、日本のファンタジスタがしのぎを削ることになる。

　Ｗ杯決勝Ｔに進出したことで、松井の欧州での評価は急上昇している。大黒柱の中村俊を控えに回し、右サイドで１次リーグ全３試合に先発。１４日カメルーン戦では本田の決勝弾をアシスト。２４日デンマーク戦でも華麗なヒールシュートを放つなど、大久保との両翼コンビで世界クラスの技を披露した。日本戦を視察した欧州に太いパイプを持つスカウトは「本田ばかりに注目が集まるが、松井と大久保の攻撃力は素晴らしい。特に松井は魅力的だ」と断言。いち早く、デポルティボが獲得に乗り出した。

　松井を巡っては、欧州の複数クラブが獲得を表明している。既にフランス１部バランシエンヌに加え、ロシア１部クリリア・ソベトフ、ウクライナ１部のアーセナル・キエフが松井側と接触。さらに２７日付のガゼッタ・デロ・スポルト紙など複数のイタリアメディアが、来季からセリエＡに昇格するブレシアが松井の調査に乗り出したと報じた。

　２９日のパラグアイ戦でも、右サイドでの先発が濃厚。世界中の視線が集まる決勝Ｔでも得意のドリブルと、華麗な攻撃力を見せつければ、さらにビッグクラブが獲得を表明する可能性はある。一方でＷ杯直前に代表で定位置を獲得した関係で、国際Ａマッチの出場時間で労働ビザを発給するプレミアリーグに移籍する可能性は極めて低い。６年間在籍したフランスからステップアップするためには、スペイン移籍が最もスムーズといえる。

　快進撃を続ける岡田ジャパンでは松井の他に、本田、大久保、長友らも欧州のクラブからオファーを受けることが考えられる。最も注目される本田は今年１月にＣＳＫＡモスクワに移籍したばかり。移籍には２００万ユーロを超える違約金が発生するとされ、今夏の移籍は難しい状況だ。所属するグルノーブルが２部降格し、移籍を決断している松井が欧州市場の目玉。Ｗ杯後にも松井の移籍先が正式に決まる。

　［2010年6月28日8時39分　紙面から］