南アフリカW杯
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岡ちゃんパラグアイ攻略へ練習なし／日本

: ジョージ合宿最後の練習で、フットバレーを楽しむ日本代表

　【ジョージ（南アフリカ）＝２６日】日本代表の岡田武史監督（５３）が、２９日の決勝トーナメント１回戦パラグアイ戦に向け、「遊び」から再スタートを切った。練習で選手を４人８組に分け、フットバレー大会を開催。ポケットマネーで賞金も出し、選手は歓声をあげながら興じた。戦術練習やシュート練習などは一切なし。１次リーグの疲労を遊びながらほぐし、チームの一体感を高めた。日本代表はこの日で合宿地ジョージでの全日程を打ち上げ、２７日、決戦の舞台・プレトリアへ移動する。

　Ｗ杯の最中に、「第１回岡田杯」が開催された。初の８強に向けての再スタートの練習。ピッチ上に、ピリピリムードはみじんもない。選手の歓声と岡田監督の笑い声がこだまする異様な光景が１時間以上続いた。練習前の全体ランニングも、締めのランニングもなし。もちろんシュート練習やミニゲームもなし。スタッフも交えて４人１組の８チームで１セット４分間のフットバレーのリーグ戦を終え、全員がリラックスムードで練習を切り上げた。

　岡田監督　デンマーク戦の前に１回休みを入れて、今回も休もうと思っていたんですが、みんな飽きてやることもないから、体を動かした方がいいと思ってやりました。今回は移動も含めて３戦続けて、さらに練習があって、かなり疲労がたまっている。（パラグアイ戦に向け）疲労回復を最優先しました。

　練習を盛り上げるため、指揮官はポケットマネーから優勝賞金を出した。狙い通りに選手も盛り上がり、ＦＷ森本は「今のはアウトでしょう？」と審判役の大木コーチに、わざと鬼の形相で迫り、全体を盛り上げる場面もあった。ＤＦ駒野は「みんなでリラックスできるし、いい雰囲気でみんなで楽しくできてよかった」とスッキリした顔で言った。

　緊張続きの１次リーグ３戦を終え、放電しっぱなしの体は再充電できた。これからは新たな歴史の構築のため、再び本気モードに突入する。岡田監督は「パラグアイは守備が堅くてトップに大きい選手がいて縦にボールを入れてくる。勝負強いチーム。明日プレトリアに入ってから、パラグアイ戦に向けた本格的な練習をします。ＰＫ戦までもつれることもあるから、ＰＫの練習もします」。

　Ｗ杯での日本の最高成績は、自国開催の０２年大会のベスト１６。８強への壁を越えれば、新たな歴史が始まるが、同監督は「オレにとっては第１戦のカメルーン戦から壁だった。また壁が来たかって感じで、新しいことだとは思わない」と動じない。相手を研究し、勝つためにベストの戦いを選ぶ。それが１次リーグだろうが、決勝トーナメント１回戦だろうが、ベスト４の目標を掲げている同監督にとって、大きな違いはない。

　２７日、６日から滞在していた合宿地ジョージから撤収し、プレトリアに向かう。今後は決戦の地を転戦していくことになる。岡田監督は「残り２日間、パラグアイ戦に向けて激しい練習はやりません。体のケアを最重点に考えます」。あらためて確認することは、相手の分析だけ。１次リーグでチーム戦術は確立してきた。後はコンディション調整だけ。やり残したことはない。心技体を充実させた岡田ジャパンが、世界中を驚かせ、日本に再び歓喜をもたらす。【盧載鎭】

　［2010年6月27日9時21分　紙面から］