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前半１３分、右ヒールでシュートを放つ松井（撮影・栗山尚久）

＜Ｗ杯：日本３－１デンマーク＞◇１次リーグＥ組◇２４日◇ロイヤルバフォケング

　日本の両翼が、華麗に羽ばたいた。右サイドの松井大輔（２９＝グルノーブル）、左の大久保嘉人（２８＝神戸）が自慢のスピードを生かして北欧の守備陣を崩した。最大の見せ場は前半１３分だ。左サイドでボールを持った大久保が、右から中央へと斜めに走り込んでくる松井へ絶妙のラストパスを送った。相手ＤＦの裏を完全に破った松井は、ダイレクトで右足ヒールで合わせた。惜しくもＧＫの好守に阻まれたが、２人が演出した１プレーが、大観衆を魅了した。

　大久保　（松井が）走ってくるのは感じてた。ドンピシャでボールが行ったから「頼む！　決めてくれ！」って叫んだよ。

　松井　その前（の瞬間）に嘉人と目が合ったから、来るなと思って。決めたらＷ杯のベストゴールになったかもしれないのに。次ですね、次は決めます。

　１６強進出のヒーローが本田なら、松井＆大久保は陰の立役者だ。松井はその直後にも長谷部へ決定的なパスを通した。大久保も同２９分に素早い突破でＦＫを奪い、遠藤のＦＫ弾を演出。後半４２分には前線で相手ボールを奪って本田へつなぎ、岡崎ダメ押し弾をおぜん立て。２点に絡む活躍だった。

　２人は私生活でも仲がいい。松井がフランスから帰国すると、必ず神戸に寄って大久保と食事に出かける。遠征中の宿舎でも一緒に過ごすことが多い。そこから「あうんの呼吸」が生まれてくるのかもしれない。日本攻撃陣にハーモニーを奏で、守備でも貢献。日本が目標にする世界４強に、両翼は欠かせない。【益子浩一】

　［2010年6月26日12時0分　紙面から］

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大久保嘉人

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