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１０日、ジンバブエとの練習試合でＦＫを放つ遠藤

　日本代表のＭＦ遠藤保仁（３０＝Ｇ大阪）が、攻撃陣に「鼓動」を生む。日本の心臓と呼ばれる男は、１４日の初戦カメルーン戦で本来のボランチではなくトップ下での先発が濃厚。１トップに入る予定の本田に加え、両翼の大久保＆松井の３人を司令塔として操る。

　遠藤　前線の選手がスムーズに動けるよう、リズムを作ることが大事だと思うんでね。（カメルーンは）そんなに長い時間、自由にさせてくれることはないでしょうから、少ないチャンスでどう攻撃に結びつけるか。そこがカギになる。やれることはすべてやった。後は細かい（連係面の）ツメをするだけです。

　第２次岡田体制では、一貫して起用されてきた。指揮官から受ける信頼は最も高く「心臓」と言われた際には「そう言ってもらえるのはうれしいこと。そこにかかる責任感も肌で感じている」と素直な気持ちを吐露した。０６年ドイツ大会ではフィールド選手で１人だけ出番なしに終わった。だからこそ、監督に重宝され、使い続けてもらうことの難しさも知っている。

　遠藤　ジーコ（監督）には完全な信頼を得られなかった。プレーの質や戦う姿勢も劣っていた。全部、足りなかったのかも知れない。先発で試合に出れば、サッカーをしている子どもたちを含め、たくさんの人の夢を抱いてピッチに立たないといけない。国の代表として戦う誇りはあります。

　大事なＷ杯に向け、決して万全な仕上がりではない。それでも周囲の攻撃陣を使いながら、自ら「命」と表現するパスを繰り出す準備はできている。時には自分で前線へ飛び出して、得点を狙いに行くつもりだ。

　遠藤　１００回のピンチがあっても、それを防げばいい。１回のチャンスを決めれば勝てる。泥臭いゴールでもいいんです。

　泥臭くても、格好悪くてもいい。遠藤が日本に「鼓動」を生み、勝利をもたらす。【益子浩一】

　［2010年6月12日8時55分　紙面から］

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