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俊輔「スタメン意識しない」/練習試合

居残りでシュート練習を繰り返す中村俊(撮影・鹿野芳博)
居残りでシュート練習を繰り返す中村俊(撮影・鹿野芳博)

<練習試合:日本0-0ジンバブエ>◇10日◇30分×3◇ジョージ

 【ジョージ(南アフリカ)=10日】日本代表MF中村俊輔(31=横浜)が、スタメンにこだわらず日本を救う。日本代表はジンバブエと練習試合(30分×3本)を行い、中村俊はサブ組が出場した2本目に出場した。4-2-3-1の右MFで出場したが、直後に左MFに位置を変え、左足からの正確なクロスを連発した。左足首痛の影響もあり、カメルーン戦(14日、ブルームフォンテーン)でのスタメン出場の可能性は少ないが、途中からの出場で流れをぐっと引き寄せる。

 2本目の開始直後、右MF中村俊が、左MF岡崎を呼んでポジションを変えた。サイドに流れて中央へクロスを上げ、20分すぎには右CKをDF岩政の頭にぴったり合わせた。サブ組が出場した2本目の30分間を終え「それだけじゃ足りないでしょう」と、自ら志願して約1時間、ボールを使った居残り練習を行った。

 5月24日の韓国戦で古傷の左足首の痛みを悪化させた。治療やリハビリはあったが、その日以来、レギュラーの座を奪われ、サブ組に入っての練習が続いた。足首の痛みも和らぎ「巻き返す」と口にしたが、なかなか岡田監督から、名前を呼ばれることはなかった。「ここまできたら、スタメンとかサブとかは意識しません。僕がいることでチームがよくなればいいと思います」。スタメンへのこだわりはあるが、チームの和を崩すことはできない。自分の気持ちをぐっと押し殺して、チームプレーに徹する覚悟を決めた。

 試合途中からの役割を、すでに頭に描いている。「途中から出場する選手は足が速かったりというイメージがあるけど、途中から入って試合の流れを変えられるような選手も必要。僕はセルティックでも(途中出場を)経験している」と話した。

 この日、自らの意思で岡崎と位置を変えたのは、カメルーン戦をにらんだものだった。「今のシステムからしてみても、カメルーン戦は、今までアジアと戦ったときのように、何本もパスをつないで攻めることは難しい。右で中央に入ってシュートを打つより、左サイドでいいクロスを上げた方が得点につながる可能性が高い。僕が左に入った時にどういう動きをするのか、みんなに知ってもらいたかった」と、途中出場で得点を演出するイメージを仲間にも植え付けた。

 さらにセットプレー時のカメルーンの弱点も見つけた。DFラインを上げておいて、キッカーがボールを蹴る前にラインを下げるクセがある。「そのタイミングを逃さない。大事なポイントにボールを蹴り、そこに走り込んでぴったり合えば、得点になる」。

 長年、キックオフのホイッスルと同時に、何度も日本を救ってきたレフティーが、今度は途中から流れを変えるスーパーサブとして、日本に歓喜をもたらす。【盧載鎭】

 [2010年6月11日8時2分 紙面から]


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