南アフリカW杯
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岡ちゃん大バクチ！本田１トップ起用へ

: シュート練習で本田（右）はＧＫ楢崎をかわしゴールを決める

　【ジョージ（南アフリカ）＝８日】日本代表の岡田武史監督（５３）が、本田と心中する。現地合宿３日目のこの日に行われた紅白戦で、本来は攻撃的ＭＦの本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）を１トップに配置。１０日の練習試合モザンビーク戦で、初めて「ＦＷ本田」をテストする可能性が高まった。これまで攻撃の中心だったＭＦ中村俊、ＦＷ岡崎の２人を外した新布陣。１次リーグ初戦カメルーン戦（１４日）を目前に控え、まさしく本田が攻撃の軸になる。

　岡田監督が腹を固めた。この日、午前中に行われた紅白戦で、先発組の１トップに入ったのは本田だった。スイス合宿中に練習の一部でＦＷに入ったことはあるものの、試合を想定した実戦で試すのは初めて。前線でクサビに入って遠藤とのコンビで速攻を狙い、さらにはＤＦの裏に抜け出す動きを繰り返す本田を、指揮官は熱視線で見つめた。

　岡田監督　本田のところだとボールがおさまるし、前線ではヘディングでも競り勝っている。彼はゴール前にも入っていける。本田には（ＦＷや攻撃的中盤など）いろんなポジションになることを想定してやらせている。

　まさに本田と心中する覚悟だ。４日コートジボワール戦では本来の司令塔中村俊を先発から外し、右サイドで起用した。さらに今度はＷ杯予選を通じて使い続けてきたＦＷ岡崎まで控え組に回し、ＦＷにコンバートした。本田の状態は決して良くない。それでも控えＦＷの玉田、森本らまで差し置いて先発で起用する方向。カズ外しを断行した９８年Ｗ杯フランス大会時には、ＦＷ城を攻撃の柱に指名した。それと同様に、今度は本田を軸にする考えだ。

　「本田１トップ」は、急きょ組まれた１０日の練習試合モザンビーク戦でテストする。日本は４月７日セルビア戦から国際Ａマッチ４連敗中で、得点はイングランド戦で闘莉王が挙げた１点だけ。深刻な得点力不足に陥っており、本田のＦＷとしての適性が認められれば、１次リーグ初戦カメルーン戦でも「ＦＷ本田」が実現する可能性が出てくる。

　本田　よりゴールに近い位置で振り向いてシュートを打つだとか、どうやってＧＫと（ＤＦ）の間に入るかだとか。自分のいいところをどう出そうかと考えている。スピードで抜け出すタイプではない。タメを作るのがオレの役割。

　カメルーン戦を目前に控え、システムも、戦術も、選手まで目まぐるしく移り変わっている。岡田ジャパンの調子が上がってこない現状では、ドタバタ感は否めない。

　本田　（オランダ代表ＦＷ）ファンペルシーならオレ以上に１人でゴールに行ける。でもオレはオレ－。良さを出すだけ。良さが出ないなら（ＦＷを）やらされても全く意味がない。

　時間は待ってくれない。ただ前に進んでいくしかない。岡田監督が、一世一代の賭けに出る。【益子浩一】

　［2010年6月9日9時8分　紙面から］